三十六歌仙とは藤原公任(きんとう)の選んだ秀歌撰の歌人とその歌のことです。
三十六歌仙の歌人の名前と順番、各歌人の作品数と中でも有名な歌人とその作品を一覧で示します。
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三十六歌仙とは
三十六歌仙とは、平安中期の歌人、藤原公任(きんとう)の選んだ秀歌撰『三十六人撰』に選ばれた、万葉中期から当代直前までの有力歌人たちです。
それぞれの和歌は『万葉集』『古今集』『後撰集』『拾遺集』に掲載された作品。他にも、それぞれの歌人の個人の歌集『私家集」などにある作品から選ばれています。
三十六歌仙の歌人と時代 出典
以下に三十六歌仙の歌人と活躍した年代、生没年不詳の場合は時代名を含めて記します。
また、三十六歌仙に選ばれた和歌の、主な出典を記します。
1 | 柿本人麿 かきのもとのひとまろ | 持統王朝 万葉集 |
2 | 山部赤人 やまべのあかひと | 奈良 万葉集 |
3 | 大伴家持 おおとものやかもち | 奈良 万葉集 |
4 | 猿丸太夫 さるまるだゆう | 奈良・平安 古今集 |
5 | 小野小町 おののこまち | 平安 古今集 |
6 | 僧正遍照 そうじょうへんじょう | 平安 古今集 |
7 | 在原業平 ありわらのなりひら | 825-880 古今集 |
8 | 藤原敏行 ふじわらのとしゆき | 910没 古今集 |
9 | 素性法師 そせいほうし | 平安初期 古今集 |
10 | 坂上是則 さかうえのこれのり | 930没 古今集 |
11 | 壬生忠岑 みぶのただみね | 868-965 古今集 |
12 | 凡河内躬恒 おおこうちのみつね | 平安中期 古今集 |
13 | 紀友則 きのとものり | 906年没 古今集 |
14 | 紀貫之 きのつらゆき | 872-945 古今集 |
15 | 藤原兼輔 ふじわらのかねすけ | 877-932 古今集 |
16 | 大中臣頼基 おおなかともによりもと | 958年没 拾遺集 |
17 | 藤原興風 ふじわらのおきかぜ | 平安前期 古今集 |
18 | 源公忠 みなもとのきんただ | 889-948 拾遺集 |
19 | 源宗于 みなもとのむねゆき | 929年没 古今集 |
20 | 伊勢 いせ | 939年没 古今集 |
21 | 藤原敦忠 ふじわらのあつただ | 906-943 拾遺集 |
22 | 清原元輔 きよはらのもとすけ | 908-990 拾遺集 |
23 | 大中臣能宣 おおなかとみのよしのぶ | 921-991 拾遺集 |
24 | 源順 みなもとのしたごう | 911-983 拾遺集 |
25 | 源信明 みなもとのさねあきら | 910-970 拾遺集 |
26 | 中務 なかつかさ | 平安中期 新古今集 |
27 | 藤原朝忠 ふじわらのあさただ | 910-966 拾遺集 |
28 | 藤原清正 ふじわらのきよただ | 958年没 新古今集 |
29 | 藤原元真 ふじわらのもとざね | 平安中期 新古今集 |
30 | 藤原仲文 ふじわらのなかぶみ | 923-992 拾遺集 |
31 | 斎宮女御 さいぐうのにょうご | 929-985 新古今集 |
32 | 藤原高光 ふじわらのたかみつ | 940-994 新古今集 |
33 | 源重之 みなもとのしげゆき | 1000年没 新古今集 |
34 | 平兼盛 たいらのかねもり | 990年没 拾遺集 |
34 | 壬生忠見 みぶのただみ | 平安中期 拾遺集 |
36 | 小大君 こだいのきみ | 平安中期 拾遺集 |
三十六歌仙の有名な歌人
このうち、特に有名な歌人とその歌人の特に有名な作品をあげておきます。
柿本人麿
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
柿本人麻呂の短歌一覧
山部赤人
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
大伴家持
うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば/大伴家持「万葉集」
かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞ更けにける 中納言家持
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
大伴家持の短歌一覧
小野小町
花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに/小野小町
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものはたのみそめてき/小野小町
小野小町の短歌一覧
僧正遍昭
天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ/僧正遍昭
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
在原業平
ちはやぶる神世も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは 在原業平
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
名にし負はばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと 在原業平
在原業平の短歌一覧
藤原敏行
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる/藤原敏行朝臣
住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路人目よくらむ 藤原敏行朝臣
※百人一首にも所収
壬生忠岑
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり憂きものはなし 壬生忠岑
※百人一首にも所収
凡河内躬恒
心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花 凡河内躬恒
※百人一首にも所収
紀友則
※百人一首にも所収
紀貫之
袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ/紀貫之
※百人一首にも所収
伊勢
難波潟短かき蘆の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや
※百人一首にも所収
平兼盛
しのぶれど色に出でにけりわが恋は 物や思ふと人の問ふまで 平兼盛
※百人一首にも所収 →百人一首の和歌 全百首と解説ページインデックス
三十六歌仙の構成
三十六歌仙の構成は、藤原公任の決めたものとなっており、歌人の順番、和歌の数にも違いがあります。
三十六歌仙に選ばれた和歌の数
三十六歌仙に選ばれた歌人それぞれの和歌の作品の数は、
柿本人麿 紀貫之 大河内躬恒、伊勢、平兼盛、中務の6人が10首ずつ、他は3首ずつ
三十六歌仙の歌人の配列
三十六歌仙に選ばれた歌人
柿本人麿、紀貫之、大河内躬恒、伊勢、大伴家持、山部赤人他30人の歌人、平兼盛、中務
の順となっています。
以上、三十六歌仙の歌人の名前と順番、有名な歌人とその作品をお知らせしました。