新年早々に大きな災害が起こり心を痛めるニュースが続いています。
現地の方も遠く離れた方もご無事を祈る心は一つです。
3日の朝日新聞は朝日歌壇の過去の投稿作品より、能登の輪島市の朝市を詠んだ短歌が取り上げられましたのでご紹介していきます。
能登の輪島の朝市の短歌
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2024年の元日に石川県能登地方に大きな地震が発生、輪島市では大規模な火災が起きて、「能登の朝市」「輪島の朝市」として知られる有名な朝市の開かれる地域が被害に遭いました。
3日の朝日新聞の天声人語では、朝日新聞の短歌欄「朝日歌壇」に投稿された過去作品から山下すてさんの短歌を紹介しています。
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作者山下すてさんについて
山下すてさんは既に故人ですが、輪島市に住んでおられて、1980~90年代の朝日歌壇の常連の投稿者であったということです。
22年ごろにはSNSに作品が引用されたため、朝日歌壇の話題として新聞にも取り上げられました。
その時の晩年の作品です。
蕗摘みも飽きて膝抱き沖を視る次の世もこの涯に生れたし
-作者:山下すて
上は晩年の作品だということです。
山下すてさんの短歌
今回天声人語で山下すてさんの作品で紹介された短歌は
雪深くなれば葱売る小母さんもいつもの場所にいない朝市
-作者:山下すて
有名な朝市ではあっても真冬には朝市も同じように開かれたわけではなかったようです。
もう一つの作品
半襟に小花刺しつつ耳澄ます海原を来る正月の音
-作者:山下すて
おそらく作者は海の音が聞こえる海沿いに住んでおられたのでしょう。
半襟というのは着物を着るときに襟もとに使用するもので、作者自ら丹念に刺繍をするという、丁寧な暮らしぶりが伝わる歌です。
他に「エプロンの大きなポケットに船を刺す膝が癒えたら海見にゆかむ」の刺繍の歌も見られるます。
山下すてさんを詠んだ短歌
山下さんは朝日歌壇の常連の投稿者であったということで、楽しみにしている読者もたくさんおられたようです。
朝日歌壇には、当時投降者同士の交流があり、下のような歌も見られます。
此処に来て山下すてさん思うなり輪島朝市能登ははつなつ
作者:関満恒子
作者が輪島の朝市に来た折に、山下さんの歌を思い出すという歌で、朝日歌壇には多くのファンがいたようです。
山下すてさんの歌集
山下すてさん他の過去作品については朝日歌壇のライブラリから読むことができます。
津幡の図書館の地図
他に山下すてさんの歌集は『山下すて短歌抄』が津幡の図書館にあるそうです。
歌集の所在についてはネットの情報なので確認は取れていませんので、お問い合わせの上ご利用ください。