万葉集

新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事/大伴家持/万葉集解説

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新元号「令和」の典拠となったのが万葉集「梅花の歌32首」の序文ということで、万葉集の短歌と和歌が再び注目されています。

まもなく元号が令和に変わりますが、「新しき年」で始まる「万葉集」の有名な短歌、令和序文作者大伴旅人の息子、大伴家持の「新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事」を鑑賞、解説します。

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新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事

読み:あらたしき としのはじめの はつはるの きょうふるゆきの いやしけよごと

作者

大伴家持 1-48

現代語訳

新しい年の初めの初春の今日降る雪のように、積もれよ良いこと

 

解説と鑑賞

本歌は、令和の典拠である「梅花の歌32首」の序文作者大伴旅人の息子、大伴家持による、万葉集の一番最後の歌になります。

元日と豊年を歌った歌で、元号が令和に変わる来月も、また「新しい年」と言えそうです。

作者大伴家持について

父大伴旅人は歌人として活躍しましたが、大伴家持も、文武両方に優れた大伴氏の一族を率いていくべく、さらにいっそう歌人として優れた歌を残すと同時に、万葉集の編纂にも貢献した人物です。

この歌の詠まれた意図と背景

この歌は、大伴家持が新年の宴で披露した賀歌です。

正月の大雪は、豊年の瑞兆であり、万葉集の編者は祝言性の豊かなこの歌を、万葉集の最後に据えて、万葉集を万世の後まで伝えようとする志を籠めたものでしょう。

語句の解説

「新しき」は読みは古い読み方で、「あらたしき」との読み。

「いやしけ吉事」は、「いや」は接頭語で「ますます」「いよいよ」の意味。

「しけ」は「しく」の「あとからあとから、絶え間なく続くこと」の、その命令形。

「吉事」は、「良いこと」の意味です。

現代語訳には、「正月新年と立春新年が重なり、豊年の祥瑞たる雪までもが降り重なる今日の如くに、いよいよ重なれ良いことよ」という詳しいものもあります(セミナー万葉集)

斎藤茂吉は、ある意味「形式的な歌」としながらも、「年の初めの初春の」の「の」をもって続けた伸び伸びとした調べ、また、「吉事」の名詞止めの声調にも注意を喚起しています。

この歌にならって、新しい世の令和にも良いことが重なりますように、願いを込めてこの歌をご紹介しました。

 

 





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