佐佐木信綱の有名な短歌代表作  

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佐佐木信綱の有名な短歌代表作

2021年12月2日

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佐佐木信綱は日本の代表的な歌人の一人です。

今日の日めくり短歌は、忌日にちなみ、佐佐木信綱の代表作をご紹介します。

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佐佐木信綱の短歌代表作

佐佐木信綱は、明治5年生まれの国文学者、歌人です。

父は同じく国文学者の佐佐木弘綱で、代々文学者で歌人の家をなし、創刊した「心の花」は、息子の佐佐木幸綱や俵万智が所属することでも知られています。

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佐佐木信綱の教科書の短歌

佐佐木信綱の教科書や教材に採用されたり引用されたりする有名な歌として、以下の三首が」あげられます。

幼きは幼きどちのものがたり葡萄(ぶどう)のかげに月かたぶきぬ

読み:おさなきは おさなきどちの ものがたり ぶどうのかげに つきかたぶきぬ

作者と出典

佐佐木信綱  歌集「思草」

一首の意味

幼いものたちは幼いもの同士で語らいが尽きない様子、その葡萄の木の陰に月が沈んでいく頃となるまでに

解説

葡萄の木の下で、夕暮れに話し込む子どもたちを見て詠んだ歌。慈しむ心に溢れています。

※この歌の解説
幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ 佐佐木信綱

 

ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲

読み:
ゆくあきの やまとのくにの やくしじの とうのうえなる ひとひらのくも

作者と出典

佐佐木信綱  歌集「新月」

現代語訳と意味

秋の終り、薬師寺の塔の上にひとひらの雲が浮かんでいる

解説

結句の雲に集約されていく過程が、すなわち作者の視点を表し、その視線に読み手も同化します

※この歌の解説
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲 佐佐木信綱

 

春ここに生るる朝の日をうけて山河草木(さんかそうもく)みな光あり

作者と出典

佐佐木信綱  歌集「山と水と」

現代語訳と意味

春を迎え、上る朝日をうけて山、川、草、木はすべて光り輝いている

解説

新年の初日の歌とされます。力強い結句がポイントです。

 

佐佐木信綱の他の短歌

佐佐木信綱の他の有名な短歌です。

山の上に初春きたる八百(やほ)あまり八十(やそ)のみ寺は雪に鐘(かね)打つ

同じく、新年の短歌。「八百(やほ)あまり八十(やそ)の」は「たくさんの」の意味ですが、ここではすべてのお寺がこぞって鐘を鳴らすという場面でしょう。

 

道の上に残らむ跡(あと)はありもあらずもわれ虔(つつし)みてわが道ゆかむ

上句は、自身が世に残すことを想定ししています。

山の上にたてりて久し吾(われ)もまた一本(いつぽん)の木の心地するかも

長い時間立っていて、木に同化する気持ちを詠います。

 

白雲は空に浮べり谷川の石みな石のおのづからなる

雲も石も、人為ではなく、自分で自分を成していくという作者の見方です。

 

山にありて山の心となりけらしあしたの雲に心はじまる

2句「山の心」がポイントです。「けらし」は、推定の助動詞。

 

あまりにも白き月なりさきの世の誰(た)が魂(たましひ)の遊ぶ月夜ぞ

月の色のただならぬ白さに思い浮かぶ幻想です

 

人いづら吾(わ)がかげ一つのこりをりこの山峡(やまかひ)の秋かぜの家

「いづら」は「どうした」の意味。誰もいない山の静謐を詠います。

 

きょうの日めくり短歌は、佐佐木信綱の忌日にちなみ、佐佐木信綱の短歌をご紹介しました。
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それではまた!

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