おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふ程に年の暮れぬる 西行法師  

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おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふ程に年の暮れぬる 西行法師

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おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふ程に年の暮れぬる

西行法師の代表作として知られる、新古今和歌集の年の暮れを詠んだ和歌の現代語訳、品詞分解と修辞法の解説、鑑賞を記します。

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おのづからいはぬを慕ふ人やあるとやすらふ程に年の暮れぬる

現代語での読み:おのずから いわぬをしたう ひとやあると やすらうほどに としのくれぬる

作者と出典

作者:西行法師 691番

山家集 西行法師家集

和歌の意味

言葉は掛けないが、ひょっとしてついてくる人もあろうかと、ぐずぐずしているうちに年も暮れてしまったよ

句切れ

句切れなし

語句と文法

・おのづから…漢字は「自ら」。「慕ふ」にかかる。「自然に心を惹かれる」という意味。そのような人があるといいという思い。

・「慕ふ」…心を惹かれて後を追うこと

・「いわぬ」…この部分の主語は作者

・「人やあると」…「や」は疑問の助詞で、係り結びとなる

・年の暮れ...12月の晦日を指す 詞書も参照

・やすらふ…「思案する」の意味

・暮れぬる…末尾は連体形 係り結び




解説と鑑賞

西行法師の年の暮れの和歌。

詞書に「歳暮に人につかはしける」とある。

古今和歌集は、ここから16首が「歳暮」のテーマが続く。

西行は僧侶ながら、人との結びつきを求めていたことがうかがえる。

こちらから積極的に出ることはしないが、ひょっとしたら、そのような自分にも声をかけてくれる人がいやしないかという人恋しさを婉曲的に表している。

詞書にあるように、テーマは年の暮れであるので、そのような思い出日々を暮らしていた、孤独な一年が過ぎたことへの考え意を表している。

「や…ぬる」の係り結び

「慕ふ人やあると」は、「や」が「人」の後に入るが、「ありはしないか」の疑問の文となる。

この「や」を受けて、結句は「…ぬる」の連体形の係り結びとなっている。

西行法師について

西行法師 1118年~1190年

俗名は佐藤義清(のりきよ)

北面の武士であったが、23歳で出家。法名は円位(えんい)というもので、西行は雅号。

生涯を通じで諸国を行脚し、仏道修行と歌作に専心した。

藤原俊成(しゅんぜい)と並ぶ平安時代の代表的な歌人。

新古今和歌集とは

新古今和歌集(しんこきんわかしゅう)は、鎌倉時代初期に編纂された勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)。

天皇や上皇の命令により編集された、代表的な和歌集の一つ。


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