茅の輪くぐりに唱える和歌の意味 夏越の祓【日めくり短歌】  

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茅の輪くぐりに唱える和歌の意味 夏越の祓【日めくり短歌】

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茅の輪くぐりとは夏越の祓いに行われる行事です。茅の輪のくぐり方と由来、その際の唱え詞の和歌の意味を記します。

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茅の輪くぐりとは

今日6月30日は夏越の祓いの日。

神社に藁でできたような大きな輪が設置されてるのを見たことがありませんか。

これは茅の輪(ちのわ)というもので、元々は植物の浅茅(あさぢ)でできた輪を参拝者がくぐることによって穢れや災いが祓われるといわれています。

 

茅の輪のくぐり方

茅の輪のくぐり方は、ま直ぐ通り抜けるのではなくて、八の字を描くように「左まわり・右まわり・左まわり」に輪の中を通り抜けながら計3回回ることになります。

早く回ろうと思って急いではだめですよ。行事なので、心に念じながらゆっくり回ってくださいね。

茅の輪くぐりの唱え詞

茅の輪くぐりの際には、唱え詞を唱えながらくぐることとなっていますが、その代表的なものの一つは

「祓へ給ひ 清め給へ 守り給ひ 幸へ給へ(はらえたまい きよめたまえ まもりたまい さきわえたまえ)」

 

茅の輪くぐりの和歌

これは、神社にお祈りするときにいつも使われる言葉です。うちのおばあさんは、毎朝祭壇の前で唱えていましたが、これを唱えながら、茅の輪をくぐります。

もう一つ、神社によっては、茅の輪の入り口横に和歌を掲載して、それを唱えながら回るところも多くあります。

それが下の和歌

「水無月(みなつき)の夏越(なご)しの祓(はらえ)する人はちとせの命のぶというなり」

 

茅の輪くぐりの和歌の意味

この唱え詞の和歌の意味は、

6月の夏越の祓いをする人は長く長く命がのびるといいますよ

というもの。

水無月というのは旧暦の6月、当時の気候で梅雨が明けたかんかん照りのことを言ったそうです。

「ちとせ」は「千年」のことですが、もちろんいくら神社にお参りしたところで千年生きるはずもなく、これは「長い」という意味の慣用的な数字です。

同様なものに、「百」の「百代(ももよ)」とか、「八」を使う「八百万(やおろず)」などがありますね。

「君が代」の

「君が代は千代に八千代に」

も同じ意味の言葉となります。

神社によっては、これ以外の和歌も含めて、3種類くらいの違う和歌があるそうです。

ちなみにうちの近くにある神社では、上の和歌を唱えることとなっており、この和歌からすると夏越の祓いの目的が、民の無病息災、長寿祈願にあることもわかります。

 

夏越の和歌は百人一首にも

もう一つ、夏越の和歌として有名なのが、百人一首98番、藤原家隆の下の歌

 

風そよぐ楢の小川の夕暮は禊(みそぎ)ぞ夏のしるしなりける

現代語での読み: かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける

この意味は、

楢の小川と呼ばれる上賀茂神社の御手洗川では、風が葉を吹きそよがせて秋の風情であるが、神社では夏の禊が行われるために、夏であることを思い出させてくれる

というものです。百人一首に採られているのですから、歌の「夏の禊」、つまり夏越の祓いは歴史の古いもので、

和菓子「水無月」を食べる

夏越の大祓いの日は他に、「水無月」という和菓子を食べるのが伝統です。

餅の上に小豆がのった涼しげなお菓子ですね。

「夏越ごはん」を食べる

そして、「夏越ごはん」を食べるならいとなっています。

これは何かというと、茅の輪をかたどった、丸いもの、すなわちかき揚げがのっているご飯であればよいそうですよ。

伝統では、ごはんに粟や豆などが入れて炊くか混ぜるなどして、そのあと、夏野菜の丸いかき揚げをのせて、しょうがを使ったたれをかけるというものだそうです。

最近の夏は猛暑でなかなかお前にも出かけられませんが、お近くに神社がある方はぜひ茅の輪くぐりでお祓いをするか、夏越ご飯を食べて元気を出してくださいね。

きょうの日めくり短歌は、夏越の祓いににちなみ、茅の輪くぐりと夏越の和歌をご紹介しました。

それでは!

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