歌会始の儀は新年恒例の行事で、年も1月19日に皇居松の間で開かれました。
今年2024年のお題は「和」。
天皇陛下の御製と、皇后雅子様の御歌、他の皇族の方々の和歌作品をお知らせします。
歌会始の儀2024年
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歌会始の儀が1月19日、皇居で開かれました。
今年のお題は「和」です。
歌会始とはどのようなものかの解説は下の記事でお読みください。
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天皇、皇后陛下とその他の皇族の方々の作品を鑑賞していきます。
天皇、皇后両陛下の歌会始の御歌
天皇陛下の御製、皇后両陛下の短歌の作品です。
<天皇陛下>
をちこちの旅路に会へる人びとの笑顔を見れば心和みぬ
<皇后さま>
広島をはじめて訪(と)ひて平和への深き念(おも)ひを吾子(あこ)は綴れり
メモ
御製とは「御製」は「ごせい」と読み、とも書かれ、皇室や貴族などの高位の方々が自ら詠んだ詩や文章を指します。
天皇陛下の歌会始の御歌の解説
天皇陛下の御製について朝日新聞の解説では
皇后さまとともに各地を訪問した際、現地の人々に温かく迎えてもらったことをうれしく思い、人々の笑顔を見て自身も和んでいる心情を詠んだ。-朝日新聞より
お題の「和」の言葉は、「心和(なご)みぬ」の訓読で用いられています。
また、コロナに関連しない作品は4年ぶりとなりました。
皇后陛下の歌会始の御歌の解説
皇后陛下のお歌
広島をはじめて訪(と)ひて平和への深き念(おも)ひを吾子(あこ)は綴れり
に対する朝日新聞の解説は
長女愛子さまが学習院女子中等科3年生の修学旅行で初めて訪れた広島県で、原爆ドームや広島平和記念資料館の展示などから平和の大切さを肌で感じた経験と、深めた平和への願いを卒業文集につづったことについて取り上げた。
-朝日新聞
雅子さまの作品はこれまでもご長女の愛子さまの成長を多く詠まれています。
※雅子様のこれまでの歌会始の短歌は以下の記事に
皇后雅子様の歌会始の短歌 平成から令和へ 被災地,吾子を詠む
愛子様の御歌
幾年(いくとせ)の難き時代を乗り越えて和歌のことばは我に響きぬ
解説では
大学で学んだ中古・中世に詠まれた和歌が、およそ千年の時を経て現代に受け継がれていることに感銘を受けた心情を詠んだ。。(同)
お題の「和」の字の含まれる「和歌」を歌の主題お選びになり、愛子さまご自身の和歌そのものへの感慨がそのまま伝わる作品です。
秋篠宮家の方々の短歌作品
秋篠宮家の方々のお歌の短歌作品は以下の通りです。いずれもお題の「和」の字を含むものです。
秋篠宮の御歌作品
<秋篠宮さま>
早朝の十和田の湖面に映りゐし色づき初めし樹々の紅葉
「和」の含まれる十和田湖の高揚をお読みになった作品です。
「初めし」は「そめし」の読みです。
秋篠宮紀子さまの御歌作品
<秋篠宮紀子さま>
鹿児島に集ふ選手へ子らの送る熱きエールに場は和みたり
「和む」は天皇陛下と同じ、訓読で用いられています。
秋篠宮家次女佳子さまの御歌作品
<秋篠宮家次女佳子さま>
待ちわびし木々の色づき赤も黄も小春日和の風にゆらるる
色彩豊かで絵画的な若々しい感性の感じられる作品です。
他の皇族の方々の御歌
ここからは他の皇族の方々の御歌をご紹介します。
<常陸宮妃華子さま>
わが君が退院されて常盤松明るくなりぬ心も和む
<寛仁親王妃信子さま>
病人(びやうにん)になりたる我を支へくれしまなざし優しき人等(ひとら)に和(なご)む
<寛仁親王長女彬子さま>
道真公遷られたまふ御祭りに頬にふはりと和風の吹く
<高円宮妃久子さま>
仁和寺のお堂にひびく声明(しやうみやう)の音ふくらみて我をつつみぬ
<高円宮家長女承子さま>
突然に和鳴(わめい)にぎやか秋空を烏もどりて夕暮れを知る
歌会始来年のお題
来年のお題は「夢」です。
「夢」の文字が詠み込まれていればよく、「夢幻」「夢中」「夢路」のような熟語、または「夢見る」のように訓読してもよいのような訓読でもどちらでもよいそうです。
2024年歌会始まとめ
2024歌会始の天皇・皇后両陛下と皇族の方々の歌会始の短歌をご紹介しました。
歌会始は、他にも選者と召人(めしうど)と呼ばれる歌人の作品と、一般から公募された作品が読み上げられます。
歌会始の他の作品については、別記事にてご紹介します。