「たのしみは」に始まる短歌の例をご紹介します。
橘曙覧の「独楽吟」にならって例を参考に「たのしみは」の短歌を詠んでみましょう。
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橘曙覧の短歌代表作「独楽吟」
橘曙覧は江戸時代の幕末期の国文学者で歌人です。
「たのしみは」で始まる一連の短歌「独楽吟(どくらくぎん)」はよく知られた有名なものです。
この連作は、橘曙覧の53歳ころの作品といわれています。
独楽吟のもっとも有名な作品
52首のうち、もっともよく知られているのは
たのしみはまれに魚煮て児ら皆がうましうましといひて食ふ時
この短歌の意味は
楽しみといえば、稀にだが魚を煮て、それを子供たちみんなが『おいしい、おいしい』といいながら食べる時だ
というものです。
橘曙覧についてとこの歌の解説については、こちらの記事をご覧ください。
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独楽吟の全部については
橘曙覧の短歌代表作「独楽吟」全52首
「たのしみは」の短歌の作りかた
独楽吟は全部で52首ありますが、よく見ると
たのしみはまれに魚煮て児ら皆がうましうましといひて食ふ時
たのしみは三人の子どもすくすくと大きくなれる姿みる時
たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外によくかけし時
となっており、その特徴は「たのしみは」に始まり、最後が「時」で終わっていることがわかります。
なので、「たのしみは・・・とき」になるように、まずは作ってみましょう。
「たのしみは」の短歌の作り方
普段の生活を振り返って、自分が楽しいと思う時を考えてみましょう。
独楽吟に詠まれている歌もおおむね
おいしいものを食べるとき 家族が喜ぶ時 趣味に夢中になる時 生活が安定をみせるとき ほしいものが手に入った時
などが、内容となっています。
これは、作者が、53歳だったからで、学生や子どもの方なら楽しみの種類は違います。
「おいしいものを食べるとき ほしいものが手に入った時」は共通するとしても、他にあるものはといえば
- 友だちと遊んでいるとき
- ゲームをするとき
- テストがよい成績だったとき
- 先生や他の人にほめられたとき
など、自分で楽しかったことを思い出してみましょう。
そして、何も楽しいことがなかったなと思っても、もっと小さなことに楽しみがあるかもしれません。
- 道端で心を惹かれるものを見つけたとき
- 友人との会話で笑ったとき
- 失くしたと思っていたものが見つかったとき
- 子どもの頃のアルバムを見るとき
こうしてあげてみると、題材はたくさんありそうですね。
自分でも「楽しいと思うこと」「楽しかったこと」のリストを作ってみましょう。
「たのしみは」の例
以下は「たのしみは」で始まる短歌の例です。
たのしみは夕日に染まる校庭に友とサッカーボールをけるとき
たのしみは塾の帰りに寄る店にソフトクリームを友と食(は)むとき
たのしみは「明日またね」といいかわし仲良き友と別れ来(こ)しとき
たのしみは初めて来たるレストラン家族4人でメニュー見るとき
たのしみは祖父母の家にゆでたてのとうもろこしにかぶりつくとき
たのしみは林の深く木の幹にカブトムシの背が光るとき
たのしみは泳ぎつきたる壁蹴りて魚のように身を返すとき
参考にして、皆さんも自分の「たのしみ」を短歌を通して見つけてくださいね。
それでは!