麦わら帽子の短歌【日めくり短歌】  

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麦わら帽子の短歌【日めくり短歌】

2020年8月20日

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麦わら帽子、今では懐かしいものとなりつつありますが、夏を象徴するアイテムでもあります。

麦わら帽子の短歌をご紹介します。

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思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ

作者:俵万智 出典『サラダ記念日』

お盆休みが終わって、今年は早くも登校が始まったところもあるかもしれません。

暑さが過ぎるとほっとするものの、夏の終わりはなんとなく物悲しいですね。

過ぎ去った夏が、早くも「思い出」に変わろうとしています。

一首の意味

俵万智さんの上の歌、一首の意味は、どういうものでしょうか。想像してみましょう。

夏の終わりに、しまおうとした麦わら帽子、そのてっぺんに、押されてくぼみが残っている。

いびづになってしまった球面のそのへこみを見ていると、その夏の思い出の数々がよみがえってきます。

普通なら、帽子は形を整えてしまうものなのですが、作者にはそのへこみすら思い出の一つに思えて、いとおしくなるのです。

また内側に反り返るちょっとのくぼみは、夏の出来事が思い出となってしまった、作者の欠落感、寂しい気持ちを表すようで、それだからなお、そのままにしたい気持ちになったのでしょう。

一首の解説

この歌の詳しい解説は

思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ 現代語訳と解説

俵万智さんの他の短歌は下の記事に

俵万智短歌代表作まとめ

 

海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり

麦わら帽子の短歌で、もう一つ思い出せるのは、寺山修司の「海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり」というのがあります。

こちらは、まだ麦わらをかぶっているシーンですので、夏の途中にある感じですね。

同じ麦わら帽子でも、「思い出」という言葉を加えることによって、夏の初めなのか夏のただ中なのか終わりなのかの違いを現せるのがおもしろいところです。

この歌の解説は

海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり 寺山修司

 

きょうの日めくり短歌は、俵万智さん他の麦わら帽子の短歌をご紹介しました。

それではまた明日!

日めくり短歌一覧はこちらから→日めくり短歌

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