朝日歌壇

ウクライナとロシアの短歌 ソフィア・ローレン「ひまわり」「うくらいな」の折句【日めくり短歌】

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ウクライナでは未だ戦闘が続いています。

きょうの日めくり短歌は現代の戦争に心を痛める人たちが短歌に詠んだ作品を、朝日歌壇の投稿歌からご紹介します。

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ウクライナとロシアが戦闘

ウクライナでは、2022年2月24日ロシア軍の侵攻が開始されました。

停戦協定は行われているものの、4月となったいまでも戦闘が続いています。

ウクライナの短歌は、日本の短歌にどのように詠まれているのでしょうか。

朝日歌壇の作品からご紹介します。

関連記事:
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ウクライナを詠む短歌

ウクライナとロシアを詠む短歌で最も印象の残ったものから、ご紹介していきます。

ロシア軍の侵攻続くウクライナ ソフィア・ローレンの「ひまわり」哀し
作者:村田敏行

「ひまわり」は戦争によって離れ離れになった夫婦の悲しく切ない愛を描いた映画の作品。

ウクライナへの共感を示すものとして、再上映されています。

 

一杯の紅茶とパンに涙する捕虜となりたるロシアの兵士
作者:篠原俊則

ロシア軍の兵士がウクライナの捕虜となり、食べ物を与えられたという場面。

兵士たちに憎しみがあるわけではないというところが、戦争の悲しみを誘います。

 

ウクライナの地名の変化

スタッフは忸怩たるものあると言うロシア料理で店の名キエフ
作者:小島敦

キエフはウクライナの地名の変化なのですが、「キエフKiev)」は、ロシア語の発音に由来するため、ウクライナ語の「キーウ」とするという報道がありました。

ロシア音楽にも「キエフの大門」とうムソルグスキーの名曲がありますが、それらはどうなるのでしょうか。

 

戦闘の報道に接して

ひなまつり、被曝惨禍のウクライナ 続けて映すテレビニュースは
作者:和田静子

テレビの画面では、平和と戦争が隣り合わせで日々移されているところに、焦点を当てた歌。

どちらも同じ地球の上の、同じ時間に起こっていることなのです。

 

明日明後日明々後日分のワイシャツを畳みつつ聞くウクライナの声を
作者:門間和音

佐佐木幸綱選の冒頭の作品。

テレビの音に耳を傾けながら、一週間分のワイシャツをたたんでいるところです。

作者には続く明日と変わらない暮しがあるが、ウクライナの人は…とふと考えさせられます。

 

キエフでの総動員令でよみがえる学徒動員出陣の雨
作者:山縣駿介

日本が戦争に合った頃の記憶を呼び起こされる人も多くいます。

本人にはお辛いでしょうが、忘れないで歌に詠んでいただきたいものです。

 

ウクライナから避難する人たち

少年の目から涙がこぼれ落ち「パパをキエフに残してきたんだ」
作者:堀江昌代

ウクライナから国外に避難した人が400万人を超えています。

すぐには出られない方ももちろんいます。家族が離れ離れになるということは戦争の大きな悲しみです。

 

地下鉄が唯一安全なる場所とキエフ市民の声悲痛なり
作者:石川洋一

爆撃で建物が破壊されているため、地下にこもる人たち。

冷戦期に完成したキエフの地下鉄は地下105メートルもあり、核シェルターとしても機能するように設計されているそうで、現在1万5千人が、そこで生活を続けています。

 

「うくらいな」の折句の短歌

投稿歌の中に折句を使った短歌が紹介されるのはめったにないことで、私の覚えている限りではほとんど見られません。

珍しいものですが、今回はそれがウクライナを詠んだ歌で、選者は高野公彦さん。

折句の指摘が評に記載されて掲載されました。

折句を含む歌は下の歌、

美しき草色萌ゆるライ麦はいつか黄金の波になりゆけ

作者:小山佐和子

読みは 「うつくしき くさいろもゆる らいむぎは いつかこがねの なみになりゆけ」。

この、各句の頭の字を取ると、「う・く・ら・い・な」となります。

意味は、まだ青いライ麦畑にライ麦が実り、それと共に、麦の葉が色づいていく。

その時間の変化を含む風景を詠んだものです。麦の実りが、ウクライナの平和への願いに重なるものがありますね。

折句とは

折句とは元々、和歌の上での技巧の一つで、57577の各句の各句の頭の字一文字をつないだ5文字の言葉が見えてくるというものです。

在原業平の「かきつはた」の歌「から衣きつつなれにしつましあればはるばる来ぬるたびをしぞ思ふ」や紀貫之のおみなえし「小倉山峰立ちならし鳴く鹿の経にけむ秋を知る人ぞなし」が有名です。

朝日歌壇の他のウクライナの短歌

5月1日の朝日歌壇では、ウクライナ情勢は下のように詠まれています。

火柱のロシアの洗車に溜飲が下がるそこにも人がいるのに 篠原俊則

昨日まで遊具のありし公園が墳墓になりて十字架の立つ 武田光弘

プーチンもゼレンスキーも名を遺す無名の人は死にゆくばかり 塚谷隆治

攻められて焦土広がるウクライナいま人びとはムンクの「叫び」 矢田紀子

百四十三個のテディベア並ぶロシアの奪いし子どもらの数 篠原俊則

再上映「ひまわり」見つつウクライナの別れあまたを暗がりに泣く 松村幸一

以上、朝日歌壇から、ウクライナへのロシア侵攻と戦闘に関する短歌をご紹介しました。

一日も早く、平和な生活が戻りますように、お祈りしています。







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