孫の短歌 斎藤茂吉 土屋文明 朝日歌壇より  

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孫の短歌 斎藤茂吉 土屋文明 朝日歌壇より

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孫を詠んだ短歌にはどのような作品があるでしょうか。

きょう、まごの日にちなみ、今日の日めくり短歌は、孫を詠んだ短歌をご紹介します。

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孫の短歌

今日はまごの日。

おじいちゃん・おばあちゃんから、孫にメッセージを伝える日だそうです。

短歌では、孫を詠んだ短歌は、投稿者の間では「孫歌」と呼ばれ、「甘くなりがち」だと言われることが多いようです。

しかし、そこはかわいい孫のこと、短歌にも孫の姿を残しておきたいですよね。

孫を詠んだ短歌にはどのようなものがあるか、ご紹介していきます。

 

斎藤茂吉の孫の短歌

斎藤茂吉は、意外にも子息の北杜夫氏が「子煩悩」と表現した通り、孫に対しても たいへんに可愛がり、愛情を注いだと言われています。

孫を詠んだ短歌も多く残されています。

ぷらぷらになることありてわが孫の斎藤茂一路上をあるく

歌集『つきかげ』。

孫の名前を詠み込んだ、斎藤茂吉の有名な孫歌。

お孫さんの名前は、「斎藤茂一」。茂吉の「茂」の字も一時取られていることがわかります。

子どものたどたどしい歩みを「ぷらぷらになることありて」としているわけですが、独創的でおもしろい表現です。

他にも、

不可思議の面もちをしてわが孫はわが小便するをつくづくと見る

これなど、孫の観察をよくしているのは違いありませんが、全然甘くならない孫の歌と言えます。

欠伸(あくび)すれば傍にゐる眞似す欠伸といふは善なりや悪か

あくびはそもそも行儀の悪いものとされていますが、孫が真似した時は、「あるいは善か」との思いが胸をかすめたのでしょう。

土屋文明の孫の短歌

土屋文明にも有名な孫の歌があります。

祖母(おほば)は朝々みぎりの草を引く佐々子来たり歩まむがため

歌集『自流泉』より。

これによると、お孫さんの名前は「佐々子」だとわかります。

もう一首

汝が父も汝が母も祖父(おほぢ)を手伝ひて佐々子は独(ひとり)遊ぶにやあらむ

甘い歌ではないのですが、名前を入れるというところ、これなども、やはり祖父ならではの表現であるのかもしれませんね。

朝日歌壇から孫の歌

以下は、朝日歌壇から、一般の投稿者の孫の歌。

亡き父よ嘆かふなかれ孫も来れば御節に寿司ピザ加えて祝ふ 篠原克彦

生まれ来て二度目に会えばはにかみてわれを見つめるアメリカの孫  沼沢修

祖母明治 母は大正 子ら昭和 孫は平成 続けよ命 山本真喜子

三本のビデオ消したの貴方ねと同じ眼で責む妻、娘、孫娘  合田俊宏

単に孫だけを詠むというのではなく、孫を含めた世代を主題にしたものも感慨深いですね。

きょうの日めくり短歌は、「まごの日」にちなみ、孫の短歌をご紹介しました。

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