万葉集の和歌に詠まれる花は、1位ナデシコ 2位オミナエシ 3位ユリの順になっています。
それぞれの花の代表的な作品を万葉集よりご紹介します。
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万葉集の時代
古い時代においても、また洋の東西を問わず、植物は多くの詩歌の主題となってきました。
万葉集の時代は7世紀後半から8世紀後半のことですが、現在でも見られる植物がたくさん和歌に詠まれています。
万葉集の花の和歌ランキング
万葉集の花に関しては、ナデシコが1位で26首、次いで、オミナエシ14首、ユリ10首、カキツバタ7首となっています。
1位 | ナデシコ | 撫子 | 26首 |
2位 | オミナエシ | 女郎花 | 14首 |
3位 | ユリ | 百合 | 10首 |
4位 | カキツバタ | 杜若 | 7首 |
それぞれの花の短歌の代表的なものをご紹介します。
こちらのランキングは、草花の花を取り上げています。
木の花を含む、他の植物については下の記事に
万葉集のナデシコの和歌
万葉集の「撫子」の歌は 26首あります
そのうち、11首は大伴家持が詠んでいます。
なでしこが花見る毎に処女らが笑ゑまひのにほひ思ほゆるかも(巻十八・四一一四)
我が宿のなでしこの花盛りなり手折りて一目見せむ子もがも(巻八・一四九六)
秋さらば見つつ偲しのべと妹が植ゑし屋前やどの石竹なでしこ咲きにけるかも(巻三・四六四)
他にも
射目(いめ)立てて跡見(とみ)の丘辺(をかへ)の瞿麦(なでしこ)が花 総手折(ふさたを)りわれは行きなむ 寧楽人為 (巻八-一五四九)
萩の花尾花葛花(くずはな)なでしこの花おみなえしまた藤袴(ふじばかま)朝顔の花 山上憶良 巻8-1538
・・・
万葉集のオミナエシの和歌
万葉集のオミナエシの和歌は14首あります。
代表的なものをあげるとすれば
手に取れば袖さへにほふをみなへしこの白露に散らまく惜しも 巻10-2115 作者未詳
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万葉集のユリの和歌
百合の花は万葉集に10首あります。
大伴家持が4首詠んでいますが、そのうちの代表的な作品は
あぶら火の光に見ゆる我が縵さ百合の花の笑まはしきかも 〔巻十八・四〇八六〕 大伴家持
他にも
筑波嶺のさ百合ゆるの花はなの夜床ゆどこにも愛かなしけ妹いもぞ昼ひるもかなしけ 〔巻二十・四三六九〕 防人
さ百合ゆり花後ゆりも逢はむと思へこそ今のまさかも愛うるはしみすれ (巻十八・四〇八八)作者未詳
万葉集のカキツバタの和歌
万葉集のカキツバタを詠んだ和歌は7首あります。
そのうちの代表的な作品をあげます
この歌の詳しい解説は
かきつはた衣に摺り付けますらをの着襲ひ猟する月は来にけり
万葉集の他の花の短歌をご紹介します。
万葉集の桃の花の和歌
春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出立つをとめ 大伴家持
この歌の詳しい解説は
春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出立つをとめ
万葉集の紫陽花の花の和歌
万葉集の紫陽花の和歌は、大伴家持を含め2首あります。
言問はぬ木すら紫陽花諸弟らが練りのむらとにあざむかえけり 大伴家持 0773
紫陽花の八重咲くごとく八つ代にをいませ我が背子見つつ偲はむ 橘諸兄 4448
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関連記事:
紫陽花の万葉集の和歌は2首 大伴家持の紫陽花の短歌
以上、万葉集の花の詠まれた和歌から代表的な作品をご紹介しました。