百人一首の恋の和歌 女性歌人の代表作をご紹介  

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百人一首の恋の和歌 女性歌人の代表作をご紹介

2021年12月13日

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百人一首より、恋の歌、恋愛の歌のみを抽出、わかりやすく現代語訳をつけました。

百人一首の恋の歌のみ、コンパクトに鑑賞できます。こちらのページは女流歌人の歌です。

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人一首の恋の和歌

百人一首の恋愛の和歌にはどのようなものがあるでしょうか。

まず、百人一首の恋の歌がどのくらいあるかというと、100首のうち、恋の歌、恋愛の歌が大部分を占めています。

全部をご紹介すると長くなってしまうので、そのうち、女性の歌人の詠んだ最も恋の歌らしい恋の歌からご紹介します。

100首より抽出、現代語訳とポイントを書き加えておきますので、コンパクトに鑑賞してみてください。

なお、百人一首の代表作を一覧にまとめた下の記事もあります。

・・・

難波潟 みじかき葦の ふしの間も あはでこの世を 過ぐしてよとや

読み:なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

作者と出典

百人一首19番目 新古今集 伊勢

現代語訳

難波潟に生えて揺れる蘆、その蘆の節と節の間のような、ほんの短い間でも、あなたに会うこともできず、このまま過ごしていけというのでしょうか

解説

伊勢は恋の歌で知られる女性の歌人です。

この歌は、会えないつらさを詠っており、短い間でも逢いたいというものです。

難波潟短かき蘆の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや 伊勢

 

難波江の葦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき

読み:なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こいわたるべき

作者と出典

作者:皇嘉門院別当 (こうかもんいんのべっとう)

出典:小倉百人一首88  『千載集』恋三・807

現代語訳:

難波の入江の葦の刈り根の一節のように短い仮り寝をしたばかりに、みをつくして生涯、私はあなたに恋焦がれていくこととなるのでしょうか

解説

伊勢の歌に本歌取りをしたと言われる歌。

一夜を共にしただけの相手を、一生恋し続けるだろう。そのくらい、あなたが好きだというのですが、後年のアメリカの「マディソン郡の橋」を思わせる内容です。

難波江の葦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき 皇嘉門院別当 

 

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな

現代語の読み:あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おうこともがな

作者と出典

作者:和泉式部(いずみしきぶ)

出典:百人一首56番  後拾遺和歌集

現代語訳:

もうすぐ死んでしまうこの世、あの世へ行く思い出に 今一度お会いしたいものです

解説

初句に「もうすぐ死んでしまう」と言われたら、会いに行かないで入られません。

なんだか鬼気迫るような恋心の歌です。

あらざらむこの世のほかの思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな 和泉式部

 

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする

読み:たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする

作者と出典

式子内親王(しょくしないしんのう) 百人一首89番 新古今和歌集

現代語訳と意味

わたしの命よ。絶えてしまうというなら絶えてしまっておくれ。

生きつづけていたならば、恋心を秘めている力が弱って、秘めきれなくなるかもしれないので

解説

式子内親王の有名な歌。

こちらも命がけの秘めた恋なのです。

玉の玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする 式子内親王の和歌の意味

 

嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る

作者と出典

右大将道綱母 百人一首53番

現代語訳と意味

あなたに会えないことを嘆きながら一人寝る夜の夜明けまでがどれほど長いものかご存じないでしょう

解説

右大将道綱母の歌。「ものとかは知る」は係り結びなのですが、「知っていますか。知らないでしょう」ということで、そのつらさを相手に訴えているのです。

 

めぐりあひて 見しやそれとも 分かぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな

作者と出典

紫式部 百人一首57番

現代語訳と意味

久しぶりにめぐり逢って見たのが確かであるかどうか、見分けがつかないうちにあなたは帰ってしまった。雲に隠れる月のように

解説

「源氏物語」を記した紫式部ですが、やはり恋多き人であったのでしょう。

 

恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋にくちなむ 名こそ惜しけれ

作者と出典

相模 百人一首65番

現代語訳と意味

あの方のつれなさに、切なく辛く、涙で濡れた袖を乾かすこともないのに、その上、人のうわさで評判が落ちるのが口惜しい

解説

相手はもちろんのことですが、世間にも悩んだのは、この時代の人も同じことだったようです。

百人一首の女性の歌人の恋の歌は、このくらいです。




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