短歌

百人一首の日!有名な代表作和歌16首 小倉百人一首

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「百人一首の日」、今日5月27日は百人一首ができた日、すなわち藤原定家が書いた色紙が小倉山荘障子に貼られて、完成した日なのだそうです。

百人一首の代有名で表的な和歌、すなわち短歌を 16首選んであげてみます。この機会に百人一首にもふれてみてください。

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『百人一首』とは

百人一首(ひゃくにんいっしゅ、ひゃくにんしゅ)とは、100人の歌人の和歌を、一人一首ずつ選んでつくった秀歌撰、歌集のことです。

よって、いろいろな百人一首があるわけですが、一般的に「百人一首」と呼ばれて知られているのは、正式には「小倉百人一首」のことです。

小倉百人一首は藤原定家が編纂

この小倉百人一首は、藤原定家が編纂をしました。

時代は、平安時代末期から鎌倉時代初期。

元々は、歌と絵柄を使ったふすまを装飾する色紙として、依頼を受けた定家が作成。

飛鳥時代の天智天皇から鎌倉時代の順徳院まで、100人の歌人の優れた和歌を一首ずつ選び、年代順に色紙にしたためたものです。

 

百人一首の和歌 代表作

百人一首の有名な歌だけを、現代語訳をつけて紹介します。

秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ

あきのたのかりほのいおのとまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ

作者:

天智天皇

現代語訳:

秋の田の傍にある仮小屋の屋根を葺いた苫の目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れてゆくばかりだ

・万葉集もある天智天皇の有名な短歌です。

 

春すぎて 夏来たるらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山

はるすぎて なつきたるらし しろたえの ころもほすてう あめのかぐやま

作者:

持統天皇

現代語訳:

春が過ぎて夏となったようだ。香具山に白い衣が干してあるのが見える

注釈:

持統天皇は女性の天皇です。

百人一首では「夏来にけらし」は、万葉集では「夏来たるらし」となっています。

この歌について詳しく詠む

春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山/持統天皇/万葉集解説

 

あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む

あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん

作者:

柿本人麻呂

現代語訳:

山鳥の尾の垂れ下がった尾が長々と伸びているように、秋の長々しい夜を一人で寝ることになるのだろうか

注釈:

この歌も万葉集にあります。

「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の」までは、長いことを導くための序詞です。
当時の山鳥というのは雉でしょうか。誰もが「長い」を視覚的に思い浮かべられるものなのでしょう。

 

田子の浦に うち出でてみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ

たごのうらに うちいでてみれば しろたえの ふじのたかねに ゆきはふりつつ

作者:

山部赤人

現代語訳:

田子の浦に出かけてながめてみると、富士山のてっぺんに、真っ白な雪が降っていることだ

注釈:

この歌も万葉集から。山部赤人の有名な叙景歌です。

 

天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも

あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも

作者:

安倍仲麿

現代語訳:

空のはるか遠くを眺めれば、奈良の春日にある三笠山で見た月と同じ月が昇っているのだなあ

注釈:

「春日なる」の「なる」は「春日にある(月)」の意味です。

月にかかる形容詞句なので、ここは句切れではなく、この歌は句切れなしです。

 

花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに

はなのいろは うつりにけりな いたずらに わがみよにふる ながめせしまに

作者:

小野小町

現代語訳:

桜の花はむなしく色あせてしまった。空しくも過ごす私の容色が衰えてしまったように

注釈:

小野小町の有名な歌です。「いたづらに 我身世にふる」とは、やはり恋が成就しないことをいっているのでしょう。

 

わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり

わがいおは みやこのたつみ しかぞすう よをうじやまと ひとはいうなり

作者:

喜撰法師

現代語訳:

私の庵は都の東南にあり、このように心静かに暮らしている。それにもかかわらず、私が世を憂いて宇治山に引きこもったと世間の人は言っているようだ

注釈:

3句切れ
「しか」は「このように」の意味。

喜撰法師は平安初期の僧で歌人。六歌仙の一人。

宇治山に隠棲し、仙人になったと言われてます。

 

これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関

これやこの いくもかえるも わかれては しるもしらぬも おうさかのせき

作者:

蝉丸

現代語訳:

これがあの、東国へ行く人も都へ帰る人もここで別れ、また、知っている人も知らない人もここで会うという逢坂の関なのです

注釈:

指示代名詞の初句に始まって、反復の弾むような調子の名歌です。
句切れなし。体言止め。

 

天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ

あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ おとめのすがた しばしとどめん

作者:

僧正遍昭

現代語訳:

空の風よ、天に戻っていきそうな、この美しい天女たちをとどめておくれ。今しばらくその舞を見ていたいと思うから

注釈:

わかりやすくすがすがしい内容で良く知られている歌です。
三句切れ

 

君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ

きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ

作者:

光孝天皇

現代語訳:

あなたのために春の野に出て若菜を摘んでいると、春だというのに私の着物の袖にも雪が降りかかっています。

注釈:

やさしく繊細な恋の歌。
雪の中でも花を摘んでいるのですよ、として、花と雪との美しい取り合わせと、人に寄せる思いを詠みます。

「つつ」はここでは「しながら」ではなくて、動作の反復・継続を表す接続助詞で、「し続けるの意味。

 

陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに

みちのくの しのぶもじずり たれゆえに みだれそめにし われならなくに

作者:

河原左大臣

現代語訳:

陸奥しのぶずりの模様のように心が乱れはじめるような私ではないのに

注釈:

有名な恋の歌。
「もぢずり」とは、陸奥信夫しのぶ)地域で産した乱れ模様に染めた布のこと。そのように乱れた心、と視覚的な提示をして、自分の心の様がこのようである、としています。

「われならなくに」は万葉集にもある句で、「…のような私ではないのに」(でもそうなっている)と思いのままにならない自分自身の心を表す表現です。

「乱れそめる」は乱れ始めるの意味。あなたに会ってから、もじずりの模様のように心が乱れ始めてしまった。いつもならそうではないのに、と相手が特別であることを表します。

 

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

作者:

在原業平

現代語訳:

神の時代にも聞いたことがない。竜田川の水を紅葉が紅色にくくり染めにするとは

注釈:

2句切れ。下二句は倒置。
「ちはやぶる」は「神」にかかる枕詞。
「からくれない=唐紅」 韓から伝わった紅であざやかな紅色。

在原業平はこの時代の有名な歌人で、六歌仙・三十六歌仙の一人です。

下の句の「から」「くれ」「くくる」の連続のカ行とラ行が小気味よい調子を作り出しています。

 

住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ

すみのえの きしによるなみ よるさえや ゆめのかよいじ ひとめよくらん

作者:

藤原敏行

現代語訳:

住之江の岸に寄せる波の「寄る」という言葉ではないが、夜の夢の中の通う道でさえ、あなたは人目を避けて出てきてくれないのでしょうか。

注釈:

句切れなし。「寄る」「夜」の反復や、掛詞など技巧的な有名な歌。
「人目よくらむ」は「人目」を「さける」、「らむ」の推量「だろう」。

 

難波潟 短かき蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

作者:

伊勢

現代語訳:

難波潟の葦の節と節との短さのように、ほんの短い間でも逢わずに、一生を過ごしてしまえと、あなたは言うのでしょうか。

注釈:

作者伊勢は藤原氏の娘、平安時代の日本の女性歌人。三十六歌仙、女房三十六歌仙の一人。
長いを表すのに鳥の尾を使った歌を上に見ましたが、これは短いことを表すのに「節の間」を提示しています。

そのように、ちょっとの前でも会えない、会いに来てくれない、

相手のつれなさを詠ったものですが、感情的ではなく技巧がまさった歌です。

 

大江山 いく野の道のとほければ まだふみもみず天の橋立

おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて

作者:

和泉式部

現代語訳:

大江山を越えて、生野へとたどっていく道が遠いので、私はまだ天の橋立を踏んでみたこともなければ、母からの手紙も見ておりません。

注釈:

「歌の名人であるお母さんに、かわりに歌を詠んでもらったのでは」とからかわれた和泉式部が返した見事な歌。

生野の地名に「行く」、「ふみ」に「踏む」「文」(手紙)の掛詞の技法が使われています。

和泉式部はこの時代の代表的なすぐれた歌人のひとりです。

この一首を見ても、その際は歴然としています。

 

ほととぎす 鳴きつる方をながむれば ただありあけの月ぞ残れる

ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる

作者:

後徳大寺左大臣

現代語訳:

ホトトギスが鳴いた方を眺めやれば、ホトトギスの姿は見えず、ただ明け方の月が淡く空に残っているばかりだ

注釈:

技巧的ではなく、風情を籠めた情景を歌ったもの。百人一首でホトトギスの出てくる歌はこれ一首のみだそうです。

 

終りに

百人一首の日、久しぶりに読み直したら、懐かしいですね。

皆さまもいくつか憶えたら、歌の歌留多の形でもお楽しみくださいね!

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