中学生向け短歌 実例を参考に詠んでみよう  

広告 短歌の知識

中学生向け短歌 実例を参考に詠んでみよう

2022年8月16日

※当サイトは広告を含む場合があります

中学生向けの短歌の作品にはどのようなものがあるでしょうか。

有名な短歌でわかりやすいものと、実際に中学生が詠んだ短歌をご紹介します。

自分で短歌を作る時の参考にしてみてください。

中学生向けの短歌作品

中学生向けの短歌の作品といえば、教科書の歌人の作品がまずあげられます。

教科書の短歌解説 近代歌人の作品 正岡子規 斎藤茂吉他

この記事では、中学生が短歌を詠むときに手本になりそうな歌人とその作品、次いで中学生が詠んだ実例をご紹介します。

 

※短歌の基礎知識についてまずお読みください

短歌とは ルールと基礎知識を知って役立てよう

※夏の短歌の例は

夏休みに作る短歌 中学生の宿題に役立つ作り方の例

 

石川啄木の短歌

近代短歌の中でも一番親しみやすいのは、石川啄木の作品だと思います。

石川啄木には有名な歌がたくさんあります。

砂山の砂に腹這ひ 初恋の いたみを遠くおもい出づる日

不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心

中学生時代を回想

石川啄木の歌がおすすめの理由は、石川啄木には中学生の回想の短歌が多くあるためです。

晴れし空仰げばいつも 口笛を吹きたくなりて 吹きて遊びき

よく叱る師ありき 髭の似たるより山羊(やぎ)と名づけて 口真似もしき

夏休み果ててそのまま かへり来ぬ 若き英語の教師もありき

盛岡の中学校の露台(バルコン)の欄干(てすり)に最一度(もいちど)我を倚(よ)らしめ

わがこころ けふもひそかに泣かむとす 友みな己(おの)が道をあゆめり

これらはみな、大人になってからの回想の歌であるわけですが、学校の先生や風景、そして進路に関する悩みも詠まれています。

※石川啄木の有名な歌は下の記事を読んでみてください。

『一握の砂』石川啄木のこれだけは読んでおきたい短歌代表作8首

 

俵万智の恋の歌

中学生の参考になりそうな恋の歌は、俵万智の短歌がおすすめです。

最も有名なのがサラダ記念日。

この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日

砂浜のランチついに手つかずの卵サンドが気になっている

ボーイフレンド(恋人かな?)に作ってあげた料理が主題です。

どちらもデートの時の出来事ですね。

他にも、

シャンプーを選ぶ横顔見ておればさしこむように「好き」と思えり

君のため空白なりし手帳にも予定を入れぬ鉛筆書きで

砂浜に二人で埋めた飛行機の折れた翼を忘れないでね

明治屋に初めて二人で行きし日の苺のジャムの一瓶終わる

 

穂村弘の中学生時代

現代短歌の歌人、穂村弘さんにも中学時代を回想する歌があります。

蛇っぽい模様の筒に入れられた卒業証書は桜の匂い

校庭の地ならし用のローラーに座れば世界中が夕焼け

灼けているプールサイドにぴゅるるるるあれは目玉をあらう噴水

関連記事:
春のプール夏のプール秋のプール冬のプールに星が降るなり 穂村弘 大意と句切れ・表現技法

 

中学生の短歌実例

ここからは中学生の短歌の例となる作品をご紹介します。

妹の笑顔の寝顔かわいくて歯磨き中のパパまで呼んだ

試着室鏡の中に私より先にセーラー服着た私

初のソロ「恋とはどんなものかしら」恋の苦手な私が歌う

今日のことママにどこまで話そうかうがいしながらまだ迷ってる

柏もちの葉っぱはとてもいい匂い片思いも楽しくなる匂い

「リコちゃんは変わってしまった」妹が涙ぐむ話せないこと増えて

空っぽになりたくなって寝転んでパパの手品の練習見てる

先生の初恋の話聞きたいなバレンタインデーの持ち物検査

作者は朝日歌壇の投稿者である松田梨子さんの短歌。

新しいセーラー服を着た私家中の鏡に見せに行く

いつしても何度やっても幸せだ制服のリボン結ぶ練習

卒業式明るく弾こう私より先にピアノが泣かないように

こちらは妹の松田わこさん。

いずれも中学生ならではの視点や経験が詠まれています。

自分で詠むときにもこれらのモチーフを「結び字」として詠むことができます。

「セーラー服」「制服」「卒業式」「持ち物検査」などは学校に関わるモチーフです。

それから、「恋」「初恋」「片思い」なども率直に詠まれていて初々しい印象がしますね。

もちろん、歌の場合は恋愛に関する言葉も積極的に取り入れて差し支えありません。

学生時代は案外過ぎてしまえば短いものです。

宿題にとらわれず歌になりそうだなと思いついたら下手でも全然かまいません、思い出として残るようにぜひ書き留めておいてみてください。

あとから振り返ったときに大切な宝物となると思います。

この続きは以下の記事で
短歌の作り方 簡単にどんどん作れるコツを解説




-短歌の知識

error: Content is protected !!