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君の歌うクロッカスの歌も新しき家具のひとつに数えんとする/寺山修司訳,句切れ,解説,

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「君の歌うクロッカスの歌も新しき家具のひとつに数えんとする」寺山修司の有名な短歌代表作品の訳と句切れ、文法や表現技法などについて解説、鑑賞します。

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君の歌うクロッカスの歌も新しき家具のひとつに数えんとする

読み:きみのうたう くろっかすのうたも あたらしき かぐのひとつに かぞえんとする

作者と出典:

寺山修司

現代語訳

君の歌うクロッカスの歌も新しい家具のひとつとして数えることにしよう

文法解説:

・数えん……「数えむ」としている版もある。前者は新かな表記、後者は旧かなの古い表記。

読み方はどちらも「かぞえん」

・結句の「する」は、連体形。

文語の基本形なら「す」。

 

解説と鑑賞

「血と麦」の「映子を見つめる」の中の歌。

寺山修司は九條映子と結婚歴がありその生活の断片と思われる。

この前に

わが家の見知らぬ人となるために水甕抱けり胸いたきまで
リンゴの木伐り倒し家建てるべしきみの地平をつくらんために

などがあり、一首前の歌の中の言葉から「婚約」をした時期の歌のように読める。

この一種だけでも、「新しき家具」から、新生活に向かう情景であることが察せられるだろう。

「クロッカスの歌」は促音を含む「クロッカス」のリズムが若々しさを醸し出す。

歌を「新しい家具」と並置して扱うことで、その歌が「君」と共に常時この部屋に在るものとなることを暗示する。

歌の主要な事物を、歌を歌う主体としての「君」から、「クロッカスの歌」、さらにその歌を「家具」と並置することで、一つの風景を浮かび上がらせている。

「新しき家具」がどのような生活なのかという描写はしないが、「クロッカスの歌」「新しい家具」「きみが歌う」という提示において、新しい生活に入る君との関係とそれに伴う作者の心情を浮かび上がらせるという手法で表されている。

寺山修司の他の短歌解説:
マッチ擦るつかのま海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや 寺山修司短歌代表作品

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