夏至の短歌 一年で昼が最も長い日を詠む  

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夏至の短歌 一年で昼が最も長い日を詠む

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夏至というのは、昼が最も長くなること。何となく不思議な日に思われますね。

きょう、夏至の日の日めくり短歌は、夏至をテーマに詠んだ短歌をご紹介します。

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夏至とは

夏至は、一年のうちで昼(日の出から日没まで)が最も長く、夜が最も短くなる日です。

太陽の位置は 夏至太陽が天球上で最も北に位置する日です。

北半球ではこの日に太陽の南中高度が最も高くなるのです。

北海道の北にある知床岬は日の出の時間が早まり、3時39分が日の出の時間で、最も昼の時間が長くなる土地の一つです。

 

夏至の日付

「夏至(げし)」は、「二十四節気」の一つで第10番目にあたり、「夏至」の日付は、近年では6月21日または6月22日。

これは、毎年決まっているわけではなく、年によって違いがあります。

今年2023年の夏至は、6月21日です。

梅雨のさなか、田植えの時期であるのは毎年変わりありませんね。

夏至の風習

夏至にはいろいろな風習が見られますが、日本では茅の輪くぐりや水浴びをするなど、清めの行為が行われます。

また夏至に関する食の風習もあり、タコやうどん、「水無月」の和菓子がそれぞれの地域で夏至に食べると良いとされています。

夏至の短歌

夏至の特徴の日が長くなるというのは感覚的に不思議なものがあり、季節の一つの区切りとしても、短歌や俳句でも夏至を題材にして詠んだ作品が多いです。

高浜虚子の俳句、「夏至今日と思ひつつ書を閉ぢにけり」もまさに夏至の日の意識を詠んだ句です。

夏至を詠んだ短歌を見ていきましょう。

夏の夜はまだ宵ながらあけぬるを雲のいづこに月やどるらむ

作者:清原深養父 古今集 百人一首36

夏至の日を直接詠ったものではないですが、夏の夜の短さが主題のよく知られた百人一首の和歌です。

 

夏至の日のまひるのひかり庭に浸み雀葉かげに潛みて飛ばず

作者は窪田空穂。歌集 『木草と共に』より。

一日のうちで太陽が最も高くなるのが、「真昼」。

そして今日は夏至の日なので、陽光も特別に感じられます。

暑い日差しに、雀が葉陰で涼んでいるという観察です。

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夏至すでに過ぎたることをおもひいで蔵王の山をふりさけにける

作者は斎藤茂吉 『小園』より。

この歌も夏至の意識を詠んだ歌です。

「夏になったなあ」という感慨なのでしょう。

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夏至の日はうすく曇りて連山をつつめる雲のゆれのぼりゆく

作者:津田治子

作者はアララギ派の歌人。ハンセン氏病を病み、九州の療養所で見つめた風景です。

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夏至の日のながき日暮にゆく道の額紫陽花は雨に鮮(あたら)し

作者:上田三四二(みよじ)

上句は夏至の特性、それと梅雨の花であるガクアジサイと雨を詠み、季節感にあふれています。

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一日が過ぎれば一日減ってゆくきみとの時間もうすぐ夏至だ

作者:永田和宏

病で命の期限が告げられた妻。

夏至は時間の流れを示すものですが、少しでも長く生きてもらいたい思いなのでしょう。

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父を見送り母を見送りこの世にはだあれもゐないながき夏至の日

作者:永井陽子

孤独な心持の時は早く過ぎてほしい。

そのようなときは、夏至は長すぎるほど長い日ともいえます。

 

夏至のひかり胸にながれて青年のたとふれば錫のごとき独身

作者:塚本邦雄

錫(すず)は、金属の一種で、言ってみれば、銀のようにきらびやかではないが、控えめに銀色の美しい光を放つもので、初句「夏至のひかり」と呼応するものとなっています。

金色の真夏のひかりではなく、もっと落ち着いた光にたとえているのです。

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一年で夜が最も短く、昼の長いきょう夏至の日、皆さまも物事に時をかけて豊かにお過ごしください。

きょうの日めくり短歌は、夏至を詠んだ短歌をご紹介しました。

それではまた!

日めくり短歌一覧はこちらから→日めくり短歌

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