いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母を尋ぬる 源実朝  

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いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母を尋ぬる 源実朝

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いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母を尋ぬる 源実朝

源実朝の有名な和歌より実朝の代表作和歌の現代語訳と修辞法の解説、鑑賞を記します。

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いとほしや見るに涙もとどまらず親もなき子の母を尋ぬるの解説

読み:いとほしや みるなみだも とどまらず おやも なきこの ははをたずぬる

作者と出典

源実朝 (みなもとのさねとも)

槐和歌集 608

現代語訳と意味:

かわいそうでたまらない、見ていると涙も止まらない。親もない子が母を求めて泣くさまを見れば

 

修辞法と句切れ

  • 初句切れ
  • 倒置
  • 連用止め

解説

金槐和歌集の親のない子を詠んだ有名な歌。

詞書

詞書に

道のほとりにをさなき童の母を尋ねていたく泣くを、そのあたりの人に尋ねしかば、父母なむ身まかりにしと答へ侍りしを聞きて

とある。

「涙もとどまらず」は、その幼い子を見るにつけて、作者自身がとめどなく涙がとどまらない、つまり、作者自身の涙であると斎藤茂吉が注釈に記している。

一首の構成

初句の「いとほしや」は「親のなき子の母を尋ぬる」につながり、その間に「見るに涙もとどまらず」と作者自身の感慨が挿入されている。

「いとほし」は万葉集に用例があり、この歌では「いたわしい」の意味合いも含めて用いられている。

斎藤茂吉の源実朝の一首評

実朝のこの歌は実際的な感慨をたたえていてなかなか良い。調べにも哀調があり実に涙も止まらずの所の哀調は特に感慨の深いものである。

また全体が緩んでいるようで緩んでいない微妙なものを持っている―「実朝の歌70首講」より

源実朝の歌人解説

源実朝 みなもとのさねとも 1192-1219

または 鎌倉右大臣 かまくらのうだいじん

源 実朝(みなもと の さねとも、實朝)は、鎌倉時代前期の鎌倉幕府第3代征夷大将軍。源頼朝の子。

将軍でありながら、「天性の歌人」と評されている。藤原定家に師事。定家の歌論書『近代秀歌』は実朝に進献された。

万葉調の歌人としても名だかく、後世、賀茂真淵、正岡子規、斎藤茂吉らによって高く評価されている。歌集は『金槐和歌集』。

源実朝の他の代表作和歌




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