大伴旅人(おおとものたびと)は新元号「令和」を含む「梅花(ばいか)の歌三十二首」の序文の作者です。
大伴旅人の万葉集にある短歌・和歌の主要なものを一覧にまとめます。
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大伴旅人の短歌一覧『万葉集』から
大伴旅人の万葉集にある短歌・和歌の主要なものを集めました。
各歌のタイトルは、万葉集の章題か、大伴旅人の短歌の分類に、これまで呼びならわされているものです。
他の歌人については
吉野讃歌
昔見し象の小川を今みればいよよさやけくなりにけるかも 3巻316
凶問に答える歌
世の中は空しきものと知る時しい世よますます悲しかりけり 5巻793
妻の死を伝えるにあたって詠まれた歌
歌詞両首
現には逢ふよしも無しぬばたまの夜の夢にを継ぎて見えこそ 5巻807
望郷の歌
我が盛りまたをちめやもほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ
我が命も常にあらぬか昔見し象(きさ)の小川を行きて見むため
浅茅原つばらつばらに物思(も)へば古りにし里し思ほゆるかも
忘れ草我が紐に付く香具山の古りにし里を忘れむがため
我が行きは久にはあらじ夢のわだ瀬にはならずて淵にもありこそ
3巻328~337
現代語訳と解説:
「令和」序文作者 大伴旅人の「望郷の短歌・和歌」我が盛りまたをちめやも
讃酒歌
験(しるし)なきものを思はずは一坏(ひとつき)の濁れる酒を飲むべくあるらし 338
酒の名を聖(ひじり)と負ほせし古の大き聖の言の宣しさ 339
古の七の賢(さか)しき人たちも欲(ほ)りせし物は酒にしあるらし 340
賢しみと物言ふよりは酒飲みて酔い泣きするし優りたるらし 341
言はむすべせむすべ知らに極まりて貴きものは酒にしあるらし 342
なかなかに人とあらずは酒壷に成りにてしかも酒に染(し)みなむ 343
あな醜(みにく)賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む 344
価なき宝といふとも一坏の濁れる酒にあにまさめやも 345
夜光る玉といふとも酒飲みて心を遣るにあに及(し)かめやも 346
世の中の遊びの道にかなへるは酔い泣きするにあるべかるらし 347
この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我はなりなむ 348
生ける者(ひと)遂にも死ぬるものにあればこの世にある間は楽しくをあらな 3349
黙居(もだを)りて賢しらするは酒飲みて酔い泣きするになほ及かずけり 350
現代語訳と解説:
大伴旅人「酒を讃むる歌」万葉集 現代語訳と解説鑑賞「令和」序文作者
「梅花の歌」より大伴旅人の短歌
我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも
この歌の解説:
大伴旅人「梅花の宴」の短歌解説/我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも
「梅花の歌32首」全部の現代語訳
万葉集の梅の短歌・和歌 新元号「令和」の由来と「梅花の歌」32首
梅花の歌序文全文
万葉集の「梅花の歌32首」序文全文と現代語訳
「後に梅の歌に追和せし4首」
残りたる雪に交れる梅の花早くな散りそ雪は消ぬとも 849
雪の色を奪ひて咲ける梅の花今盛りなり見む人もがも 850
我がやどに盛りに咲ける梅の花散るべくなりぬ見む人もがも 851
梅の花夢に語らくみやびたる花と我れ思ふ酒に浮かべこそ 852
現代語訳と解説:
「令和」序文作者 大伴旅人の梅の短歌「後に梅の歌に追和せし4首」解説
亡妻挽歌
愛(うつく)しき人のまきてししきたへの我が手枕をまく人あらめや
帰るべき時はなりけり都にて誰が手本(たもと)をか吾(あ)が枕かむ
都なる荒れたる家に独り寝ば旅にまさりて苦しかるべし
鞆の浦
我妹子が見し鞆之浦(とものうら)の室の木(むろのき)は常世にあれど見し人ぞ亡き
鞆之浦の磯の杜松(むろのき)見むごとに相見し妹は忘らえめやも
磯の上(へ)に根延(は)ふ室の木見し人をいかなりと問はば語り告げむか
妹と来(こ)し敏馬の崎を帰るさに独りし見れば涙ぐましも
行くさには二人我が見しこの崎を独り過ぐれば心悲しも
人もなき空しき家は草枕旅にまさりて苦しかりけり
妹として二人作りし吾(あ)が山斎(しま)は木高(こだか)く繁くなりにけるかも
我妹子が植ゑし梅の木見るごとに心咽(む)せつつ涙し流る
438~453