雁と露の短歌 寒露の日【日めくり短歌】  

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雁と露の短歌 寒露の日【日めくり短歌】

2020年10月8日

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今日10月8日は”寒露”の日、「秋分の日」と「霜降」の中間にあって、露が凍る手前の季節を指します。

寒露の日にふさわしい短歌、露を詠んだ短歌や雁を詠んだ短歌をまとめます。

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”寒露”の日とは

こんちは。@marutanka です。

きょう10月8日は「寒露(かんろ)」の日。

寒露とは「秋分」(9月23日頃)と「霜降」(10月23日頃)の中間の二十四節気の一つで、露が冷たく感じられる頃、冷たい露が野草に付く頃、または露が寒冷の気にあって凍る手前という意味の日です。

雁などの渡り鳥が飛来し、菊が咲き始め、コオロギなどが鳴き始める頃も、”寒露”の頃ということになります。

今日は、寒露にちなんで「露」を詠んだ短歌、それから、秋の風物の一つである雁の渡りを詠んだ短歌をツイッターにあげたものをまとめます。

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露の短歌

まずは露を詠んだ短歌・和歌で有名なものです。

 

白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを 

作者:在原業平

解説は下のページに

白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを 在原業平

 

露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことも夢のまた夢 

作者:豊臣秀吉 

解説ページ
露と落ち露と消えにし我が身かな浪速のことも夢のまた夢 豊臣秀吉【日めくり短歌】

 

はかなさをわか身のうへによそふれはたもとにかかる秋の夕露 

作者:待賢門院堀河

待賢門院堀河の和歌代表作
tankanokoto.com/2020/06/nagaka

 

しら露も時雨もいたくもる山は下葉のこらずいろづきにけり 

作者:紀貫之

紀貫之の和歌代表作
tankanokoto.com/2020/03/hitoha

 

おりたちて今朝の寒さを驚きぬ露しとしとと柿の落ち葉深く

作者:伊藤左千夫

伊藤左千夫の晩年の代表作「ほろびの光」の一首です。

おりたちて今朝の寒さを驚きぬ露しとしとと柿の落ち葉深く 伊藤左千夫【日めくり短歌】

 

斎藤茂吉の露の短歌

ここからは斎藤茂吉の短歌から、露の歌

 

ひさかたの天より露の降りたるか一夜のうちに萩が花咲く

作者:斎藤茂吉 歌集「暁紅」より

斎藤茂吉の作品と生涯 特徴や作風「写生と実相観入」

 

裏戸(うらと)いでてわれ畑中(はたなか)になげくなり人のいのちは薤(かい)のうへのつゆ

作者:斎藤茂吉 歌集「石泉」

人の死を知った時に、一人になりたくて家の外に出ると、らっきょうの葉に露が見える。

それになぞらえて、命のはかなさを嘆く歌です。

 

月かげのしづみゆくころ置きそふる露ひゆらむかこの石のうへ

作者:斎藤茂吉 歌集「ともしび」

意味はおおむね「月の沈むころ、露の雫はこの冷えていくだろうか この石の上に」

 

雁を詠んだ歌

寒露は、渡り鳥である雁が渡ってくる時期とも言われます。

雁を詠んだ短歌も少し上げておきます。

 

この国の空を飛ぶとき悲しめよ南へむかふ雨夜かりがね

作者:

斎藤茂吉 歌集「小園」

意味:

雨の夜に通り過ぎていく雁に、鳥のように空を飛んでこの地を離れられない作者が、戦いに敗れた国にある寂しい気持ちを呼びかけています。

斎藤茂吉の秋の短歌

 

江東の空わたりくる雁の列遠ければマッチ折りたるほどに

作者:

杉崎恒夫 歌集「パン屋のパンセ」

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抱擁をしらざる胸の深碧(ふかみどり)ただ一連に雁(かりがね)わたる

作者:富小路禎子

作者は、旧華族でしたが家が没落、生涯独身であった人です。

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きょうの日めくり短歌は、寒露にちなむ短歌と和歌ををご紹介しました。

それではまた!

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