ぽぽぽぽと秋の雲浮き子供らはどこか遠くへ遊びに行けり 河野裕子  

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ぽぽぽぽと秋の雲浮き子供らはどこか遠くへ遊びに行けり 河野裕子

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ぽぽぽぽと秋の雲浮き子供らはどこか遠くへ遊びに行けり

河野裕子の有名な現代短歌の代表作の意味と句切れ、文法や表現技法について解説、鑑賞します。

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ぽぽぽぽと秋の雲浮き子供らはどこか遠くへ遊びに行けり

読み:ぽぽぽぽと あきのくもうき こどもらは どこかとおくへ あそびにいけり

作者と出典

河野裕子 歌集『あなた』

現代語訳

ぽぽぽぽという感じに秋の空に雲が浮いていて、子どもたちはどこか遠くに遊びに行ったのだよ

語と文法の解説

・ぽぽぽぽと…「ぽぽぽぽ」は擬態語

・秋の雲浮き…「雲」と「浮き」の間に主格の係助詞の「は」または「の」が省略されている

句切れと表現技法

・句切れなし

・オノマトペの使用

解説と鑑賞

出典は河野裕子の『あなた』とされている。子どもたちの様子を秋の景色を背景に歌った歌。

この歌の魅力とポイントは、初句の「ぽぽぽぽ」のオノマトペにある。

オノマトペ 擬態語の表現技法

「ぽぽぽぽ」は擬態語、短歌では特にオノマトペと呼ばれる技法のひとつ。

オノマトペとは、本来音を発しないものを字句で表現したものをいう。

擬音と擬態語の違い

例えば、犬の声などは音があるので「わんわん」は「擬音」となるが、雲には音がないので、そのようなものは擬態語と呼ばれる。

「ぽぽぽぽと秋の雲」解説

「ぽぽぽぽと」は、「浮き」にかかる副詞となる。

雲は「ぽぽぽぽ」と浮いていることになるが、どのような形状かというと推測になるが、おそらく、小さな塊をなして、切れぎれになっている雲の様子をいうのだろう。

そのような雲の見た目が、晴れ渡った秋の空にのどかな雰囲気を醸し出していると想像できる。

気候がよく気持ちの良い日なので、子どもは自然と外で遊びたくなり、遊びに出かけて行ったというところまでを詠んでいる。

歌の景色と共に、いかにも幸せそうな作者の幸福な家庭生活が浮かび上がってくる。

河野裕子プロフィール

河野 裕子 かわのゆうこ

1946年7月24日 - 2010年8月12日

河野 裕子は、日本の歌人。「塔」選者。夫は歌人の永田和宏。長男永田淳、長女永田紅も歌人。 宮柊二に師事。瑞々しい言葉で心情をのびやかに表現した。晩年は乳がんに苦しみ、生と死に対峙する歌を詠んだ。歌集に『ひるがほ』、『桜森』、『母系』などがある。

-フリー百科事典Wikipedia「河野裕子」

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