教科書の短歌 石川啄木

不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心 石川啄木『一握の砂』短歌代表作品

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「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」、石川啄木の有名な短歌代表作品は中学校の教科書に掲載されてもいます。

この短歌の現代語訳と句切れ,表現技法などについて解説します。

・教科書掲載の短歌一覧は↓
教科書の短歌 中学校教材に収録の近代・現代歌人の作品 正岡子規若山牧水石川啄木与謝野晶子他

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不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心

読み こずかたの おしろのくさに ねころびて そらにすわれし じゅうごのこころ

作者

石川啄木 『一握の砂』

現代語訳と意味:

盛岡城の草の上に寝転んで、空に吸い込まれそうだった十五才の私の心よ

語の意味と文法解説:

名不来方(こずかた)城…盛岡城の別名。啄木は盛岡で中学校(盛岡尋常中学校)時代を過ごした

吸われし…「し」は過去の助動詞「き」の連体形 =吸われた
空を主語として、受け身の表現となっている

表現技法と句切れ:

句切れはありませんので、「句切れなし」

「心」の名詞で終わっている「体言止め」

「吸われし」は「吸われた」の意味ですが、「吸われたような」の比喩とみていいでしょう。

体言止めの例

酒の名を聖(ひじり)と負(おほ)せし古(いにしへ)の大(おほ)き聖(ひじり)の言(こと)のよろしさ (巻三・三三九)

大輪の牡丹かがやけり思い切りてこれを求めたる妻のよろしさ  古泉千樫

最初の歌は、句切れなし
二首目の歌は、二句切れとなる。

解説と鑑賞:

旧制盛岡中学の生徒のころ、恋と文学に夢中だった石川啄木がのちに自身を回想した一首。

不来方城の草はらで寝転んで空を見ていた、15歳の頃を懐かしみ、その時の自分の「心」にポイントを当てています。

一首の一番大切なところは、「空に吸われし」の比喩の鮮烈さでしょう。

啄木の少年としての不安や野心を包み込んでくれるような空、または少年のロマンを象徴するような空とこころの関連、それはやはり若い心のみが持つ特権です。

まだ、空のロマンを持っていたみずみずしい15歳の自分を、美しく素直に表して、読む人の共感を誘わずにはいられない歌です。

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