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夏の短歌の作り方 夏らしい題材を詠み込もう

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夏の短歌の作り方、花火や海のレジャー、かき氷やスイカなどの食べ物など、夏の短歌の題材となる風物とそれらを詠み込んだ短歌をご紹介します。

夏の短歌

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夏の短歌を作るには、まず題材となる夏の風物をリストアップして、それについて思いつくところから短歌を作ってみるのが良いでしょう。

 

他にも

夏の短歌に使える題材

■夏の花

向日葵 百日紅 朝顔 合歓の木 サルビア

■夏の虫

蝉 カブトムシ くわがた アゲハ蝶

■夏の食べ物

かき氷 スイカ とうもろこし

■夏のレジャーと場所

海 山 川 プール

■夏のイベントとアイテム

花火 日傘 風鈴 盆踊り 夏祭り 旅行

他に思いつくものがあれば書き加えて行ってみてくださいね。

それぞれのアイテムを詠み込んだ短歌の例を一首ずつ提示します。

 

夏の植物の短歌

夏の代表的な植物である 向日葵 百日紅 朝顔 合歓の木 サルビア ホテイアオイを詠み込んだ短歌を一首ずつご紹介します。

向日葵の短歌

向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ

【作者】前田夕暮

【意味】向日葵は金の油を身に浴びたように輝いて、ゆらりと高く立っている。それに比べて、後ろに見える太陽のなんと小さいことか

 

百日紅の短歌

子どもらが鬼ごとをして去りしより日ぐれに遠しさるすべりの花

【作者】島木赤彦(しまき あかひこ)

解説

「鬼ごと」は鬼ごっこのこと。島木赤彦は教員をしていたので、子どもを詠んだ歌が多いです。

 

朝顔の短歌 与謝野晶子

鳴く蝉ははやく夜明けの桐に来ぬ朝顔の花いたいたしけれ

作者:与謝野晶子

夏に懸命に生きる蝉と植物。「いたいたしけれ」には作者晶子の独特の見方があります。

 

合歓の花の短歌 若山牧水

初夏の照る日のもとの濃みどりのうら悲しきや合歓の花咲く

作者:若山牧水

合歓の木は大きな木で枝も長いことが多く、4句までの長さは、見上げた梢の距離を表しています。

 

サルビアの小花散りしく黒土のうるほふごときゆふべとなりぬ

【作者】尾崎左永子

サルビアの小さな赤い花が散って、黒い土が潤うように思える、昼の暑さを過ぎてほっとするような、夏の夕方の情景を詠んでいます。

 

ほてい葵の短歌

アンコール・ワットの濠にほてい葵の花うごかして水牛沈む

【作者】佐藤佐太郎

解説

旅行詠。アンコールワットの堀にほてい葵の水草の花が浮く水に分け入って、水牛が沈んでいくという、いかにものんびりとした情緒が伝わります。

 

夏の虫の短歌

夏の代表的な生き物、植物である 蝉 カブトムシ くわがた アゲハ蝶 黒アゲハを詠み込んだ短歌を一首ずつご紹介します。

 

蝉の短歌

山中のしづけき町に蝉の音の四方(よも))よそそぎてくれ入りにけり

【作者】中村憲吉

【意味】山の中の静かな町に蝉の音の四方から注いで暮れていくのだなあ

解説

四方よ」の「よ」は「…から。…より」の意味。辺り一面降り注ぐような蝉の音の満ちている日暮れの情景を詠んだもの。

おそらく山間部にある憲吉の故郷とその様子でしょう。

 

カブトムシの短歌

何ありて癒ゆる渇きか甲虫の一つ番(つが)いを掌(て)に遊ばせて

作者:岡井隆

手持ち無沙汰に遊ばせていたのは甲虫か、あるいは、クワガタムシかもしれません。

 

アゲハ蝶の短歌

方向を持つや持たずや揚羽蝶高層街の舗道越えたり

作者:尾長左永子

都会にいる蝶の様子。野原にいる時とはまた違った不安定なイメージがあります。

 

夏蝶の屍(し)をひきてゆく蟻一匹どこまでゆけどわが影を出ず

【作者】寺山修二

解説

蝶を引く蟻を俯瞰する作者の視線。どこか厳しさを感じる歌です。

 

夏の食べ物の短歌

夏の代表的な食べ物 かき氷 スイカ とうもろこしを詠み込んだ短歌を一首ずつご紹介します。

かき氷の短歌

サクサクト削レル粉ヲナシテビードロ皿ニ雪ツモリケリ

作者は正岡子規 。

削った氷が粉のように積み重なって ビードロの皿、つまりガラスのお皿に雪が積もったようだ」と詠んでいます。

 

一期なる恋もしらねば涼やかにはみてさびしき氷白玉

作者は馬場あき子

一生に一度の恋も知らない、そのような落ち着いて過ぎてきた生を回顧するときの味わいが氷白玉のようだというのですね。

スイカの短歌

やや暑き山の日ざかりの心よく大き西瓜をわりにけるかも

作者はアララギの歌人古泉千樫(こいずみちかし)。

暑い夏の山の上で大きな西瓜を割ったという歌ですが、それだけで楽しさが伝わってきます。

関連記事:
西瓜を詠んだ短歌 7月27日は「スイカの日」

とうもろこしの短歌

しんとして幅広き街の秋の夜の玉蜀黍の焼くるにほひよ

作者は石川啄木。

「玉蜀黍」が「とうもろこし」の漢字です。

北海道に赴任していた折の町の風景です。

 

夏のレジャーの場所の短歌

夏の代表的な遊びの場所 海 山 川 プールを詠み込んだ短歌を一首ずつご紹介します。

 

潮風に君のにおいがふいに舞う抱き寄せられて貝殻になる

作者は俵万智。

すてきな海辺のシーン。夏は恋愛の季節でもあるのですね。

 

海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手を広げていたり

作者は寺山修二

海を知らない少女、というのは、まだ海を見たことがない、遠い陸地に住む少女なのでしょう。

その相手に、見てきた海のことを誇らしげに語る少年。「麦藁帽」に鮮烈な夏の光が見えるようです

夏の山の短歌

夏のかぜ山よりきたり三百の牧の若馬耳ふかれけり

作者は与謝野晶子。

夏の山といっても、高原のさわやかな様子が詠まれています。

夏のかぜ山よりきたり三百の牧の若馬耳ふかれけり 表現技法の解説 与謝野晶子

 

郭公さやかに鳴きて夏山の梢しらしら明そめにけり

作者は伊藤左千夫。

滞在した山の様子を詠んでいます。初句は「ほととぎす」。

 

プールの短歌

灼けているプールサイドにぴゅるるるるあれは目玉をあらう噴水

穂村弘の回想の短歌。

たしかにそんな器械があったことを思い出します。大人になると懐かしいですね。

穂村弘歌集『水中翼船炎上中』17年ぶり 時間の変化を可視化

他にも、

春のプール夏のプール秋のプール冬のプールに星が降るなり 穂村弘解説

 

夏の風物の短歌

夏らしいアイテム 花火 麦わら帽子 風鈴 盆踊りなどを詠み込んだ短歌です。

花火の短歌

遠き空に花火のあがる夜なりしがつらぬきがたきことも知りゆく

作者は大西民子

花火も夏の風物詩ですが、ここではその勢いに自分の心境が対照されて浮かび上がります。

帰らない夫を待ってのち、天涯孤独の身となった作者です。

関連記事:
花火の短歌 花火大会の夜空 昼の花火 線香花火を詠む

麦わら帽子の短歌

思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ

作者は俵万智。

夏の終わりに、しまおうとした麦わら帽子に夏の思い出の数々がよみがえるという淡い感慨です。

思い出の一つのようでそのままにしておく麦わら帽子のへこみ 表現技法解説

日傘の短歌

母の日傘のたもつひめやかなある翳にとらはれてゐしとほき夏の日

作者は大塚寅彦。

日傘というのは、影を作るためのもの。

人生の中の美しい光あふれる「夏の日」の回想が象徴的に詠まれています。

佐藤佐太郎の日傘の歌【日めくり短歌】

風鈴の短歌

暑しやと肱あ(ひぢ)を枕に目つむればかすかに深し風鈴のおと

作者は窪田空穂。

夏のごろ寝の際に聞こえる風鈴の音に耳を傾けている様子が詠まれています。

 

盆踊りの短歌

月の下の光さびしみ踊り子のからだくるりとまはりけるかも

作者は島木赤彦。

盆踊りのにぎやかさよりも、哀感のある歌に仕上がっています。

以上、夏のアイテムを題材に詠んだ短歌をご紹介しました。

自分での夏の短歌を詠む時の参考にしてみてくださいね。







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