俵万智さんの新しい歌集が刊行されます。タイトルは『アボカドの種』。
どのような由来があるのでしょうか。俵万智の歌集『アボカドの種』についてご紹介します。
俵万智新歌集『アボカドの種』
https://www.amazon.co.jp/アボカドの種
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俵万智さんの新しい歌集のタイトルは『アボカドの種』。
もちろんあのアボカドを詠んだ短歌が収められています。
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俵万智新歌集『アボカドの種』代表作
アボカドの実ではなくて種であるところは収められている歌を見るとわかります。
歌集の紹介と共に筆頭に挙げられている代表作の短歌は、下の歌
言葉から言葉つむがずテーブルにアボカドの種芽吹くのを待つ
短歌の言葉と重ね合わされた静物画のようなアボカドのある風景が描かれています。
歌集の内容はどんなテーマとなるのか、俵万智さんが朝日新聞のコラム「想日向夏のポストから」で自らいちばんに紹介したのが下の歌
アボカドの固さをそっと確かめるように抱きしめられるキッチン
アボカドが食べられるかどうかは、指で押してみて確かめます。
桃などでも試す人がいますが、もちろん売り場の商品を推すのは厳禁。
このアボカドは家に持ち帰って来てからのことなので、キッチンに置いてあるのでしょうが、「抱きしめられる」のはキッチンでもアボカドでもなく、作者であるのでしょう。
俵さんのコメントだと「恋の場面の比喩に用いた」とありますが、実際の行為ではなく恋愛の心理的な描写でもあるでしょう。
発芽したアボカド土に植える午後 したかったことの一つと思う
それまで水耕栽培で育てていたアボカドを鉢植えにしてみたのだそうです。
コロナのステイホームで時間ができた時の歌で、ゆるい感じがにじみ出ています。
歌集『アボカドの種』の由来
歌集のタイトルの由来は、もちろんアボカドが大好きなところからだそうですが、「ここから新たな何かが芽吹いていくような」イメージがあるのだそうです。
既にベテランの域に達している俵万智さんですが、これからの歌の発展が予想されそうな歌集です。
歌集の装丁のアボカド
コラムには装丁のアボカドの絵と、装画を依頼するまでんのエピソードについても多く触れられています。
とことんリアルでありつつ、すばらしく詩的なアボカドが、卵型の空間に花や葉っぱとともにが枯れている。―朝日新聞
俵さんが推している三宅瑠人さんの絵がどんな絵なのか、この文章を見ると興味をそそられますね。
その表紙がこちら。
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『アボカドの種』は第7歌集
今回は俵万智さんの第7歌集となります。
俵万智さんの『サラダ記念日」は短歌史上No.1のベストセラーです。
その前の第6歌集『未来のサイズ』もおすすめです
俵万智プロフィール
俵万智(たわらまち)1962年大阪府門真市生まれ。
早稲田大学在学中より短歌を始める。佐佐木幸綱に師事。「心の花」所属。1987年、第一歌集『サラダ記念日』(河出書房新社)を出版、260万部を越えるベストセラーになり、第32回現代歌人協会賞受賞。歌集のほか、小説『トリアングル』、エッセイ『あなたと読む恋の歌百首』『百人一酒』など著書多数。
俵万智の他の短歌
俵万智の他の短歌の代表作です。
リンク先に解説が読めます。