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明治屋に初めて二人で行きし日の苺のジャムの一瓶終わる 俵万智 イチゴの短歌

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1月5日は、語呂合わせで「いちごの日」。俵万智の「明治屋に初めて二人で行きし日の苺のジャムの一瓶終わる」他、イチゴを詠んだ短歌をご紹介します。

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いちごの日

1月5日は、語呂合わせで「いちごの日」。

本当は、「いちご」は果物の苺ではなく、15歳という世代を表した「いちご族」のことだそうで、目的は、「高校受験を間近に控えた15歳の学生にエールを送る日」です。

果物のいちごの日は、1月15日だそうですが、前倒しに、イチゴの詠まれた短歌3首をご紹介します。

 

イチゴの詠まれた短歌

葡萄や桃はあっても、苺の詠まれた短歌として思い出せるものはそう多くありません。

とりかへしつかぬ時間を負ふ一人ミルクのなかの苺をつぶす

作者は佐藤佐太郎。

歌の「一人」とは作者自身のことでしょう。

私が子どもの頃は、イチゴは今よりも酸味があったのでしょうね。牛乳と砂糖をかけて食べる食べ方が一般的でした。

佐藤佐太郎は、岩波書店に勤めるサラリーマンでしたが、その後養鶏業などで独立を計りますが、事業に失敗。

苦労の多い生活を強いられることとなりましたが、歌人として活躍、他に歌誌『歩道』で後進を育てました。

佐藤佐太郎の短歌代表作5首 「純粋短歌」の叙情

 

たらちねは笊(ざる)もていゆく草苺(くさいちご)赤きをつむがおもしろきとて

作者は長塚節の短歌。

「母は笊(ざる)を持って出かけていく。草イチゴの赤いのを摘むのが面白いのだといって」という意味です。

生涯結婚しなかった一人息子の作者は、母と暮らし、母思いでありました。

晩年は結核を病みましたが、母に思いを寄せる歌を詠んでいます。

下の短歌はよく知られています。

垂乳根の母がつりたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども/長塚節

 

明治屋に初めて二人で行きし日の苺のジャムの一瓶終わる

こちらは、現代短歌から。

作者と出典

俵万智 『チョコレート革命』

一首の意味

明治屋に初めて行った日に買ってきたジャムの一瓶がなくなってしまった

解説

明治屋は、果物やジャムのメーカーで、東京他各地に店舗があります。

作者はそこに恋人と二人で出かけた折に、イチゴジャムを買ったのですね。

ジャムの期間が恋人との日数

ジャムというのは、一度にどっさり、ではなくて、少しずつ食べるものですので、長ければ数週間くらいは、冷蔵庫に瓶ごとあり続けることになります。

それがなくなってしまうということは、明治屋に行った日からそのくらいの日数が経ったということで、逆にそれは恋人との交際が続いていることを意味します。

「はじめて」の意味

俵万智の歌集「チョコレート革命」は妻子ある男性との恋愛が主題ですので、二人で明治屋で買い物をすることは、あきらかにビジネスとも異なる、人目をはばかることです。

普通の恋人たちとも違う、思い切った外出なのです。

「はじめて」ということは、親しい交際の始まった日でもあったのでしょう。

しかし、そのような行為は、作者にある覚悟を目覚めさせることでもあります。

さらに、この場合は不倫の関係ですので、いつ終わるかもわかりません。

ジャムはなくなったけれども、関係は切れないでさらに深まりながら続いている。

それと共に、作者の恋心と、微妙な懊悩も深まっていく予感があります。

「明治屋」「ジャム」の軽やかなアイテムを用いながら描かれる複雑な思い―ジャムの瓶を片手に、恋人との間柄とその時間に思いを馳せる作者の心持ちが伺えます。

今日の日めくり短歌は「いちごの日」にちなみ、イチゴ関連の短歌をご紹介しました。

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