短歌の歴史 万葉集から中世・近代 現代短歌までまとめ  

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短歌の歴史 万葉集から中世・近代 現代短歌までまとめ

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短歌の歴史、短歌は何年前からあるのか、どのような変遷をたどったのか。短歌の起源と歴史をわかりやすくまとめます。

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短歌の歴史

短歌はひじょうに長い歴史を誇る文学の一形態です。

誰でもが知っている短歌ですが、短歌はいつごろから詠まれ始めたのでしょうか。

短歌が詠まれたのはおおよそ1300年前ともいわれています。

 

短歌の起源

最も最初に読まれた短歌といわれて伝わっているのは、下の歌です。

八雲立つ出雲八重垣妻ごみに八重垣作るその八重垣を

作者:

須佐之男命(すさのおのみこと)

意味:

八雲立つ出雲の国を幾重にもとりまわしている雲ではないが、かわいい妻を籠らせるために、家の周りに幾重にも囲いを作るよ、その八重の囲いよ。

この歌は、日本最古の歴史書の書物である「古事記」に出てくる和歌です。

日本の最初の本の中にある和歌なので、もっとも古い和歌といえます。

 

万葉集の時代

一方、万葉集は、残っている日本で最古の歌集です。

7世紀前半から759年(天平宝字3年)までの約130年間、4,500首もの歌が収録されています。

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万葉集の歌の例

田子の浦ゆうち出でてみればま白にぞ富士の高嶺に雪は降りつつ

君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く

あしひきの山川の瀬の響るなへに弓月が嶽に雲立ち渡る

 

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元号「令和」の出典も万葉集

「令和」という元号が定められたときに、万葉集の文章からこの言葉が採られたことが話題となりました。

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中世の和歌

万葉集の次の歴史上重要な歌集は「古今和歌集」と「新古今和歌集」に代表されます。

これらは、勅撰和歌集と呼ばれ、天皇が命じて作られたものであり、和歌は大変重要な文化となっていきました。

歌の優劣を競う「歌合」のために、歌の内容も万葉集のそれまでの歌とは違い、技巧的で工夫の凝らされた洗練された作風へと大きく変化し、優れた歌人も多数生まれたのです。

古今和歌集と新古今和歌集の代表作品 仮名序・六歌仙・幽玄解説

また、現代でも最も多く鑑賞されるといえる「百人一首」ができたのもこの頃です。

百人一首とは 百人の和歌を一首ずつ集めた秀歌撰

中世の和歌の代表的な作品例

袖ひちてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ 紀貫之

玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることのよわりもぞする 式子内親王

ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは 在原業平

夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里 藤原俊成

 

百人一首の代表的な歌の例

来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ

花の色は 移りにけりな いたづらに 我身世にふる ながめせしまに

住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ

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近代短歌の明治以降

次に短歌の盛んであった時代は、明治以降の「近代短歌」と呼ばれる歌の時代です。

正岡子規や斎藤茂吉、石川啄木など、いわゆる有名な日本の歌人として知られる人たちは、この時代に活躍して、日本の短歌のすそ野を広げていきました。

 

現代短歌の時代へ

戦後は、近代短歌で歌人を輩出した「アララギ」が終刊となり、その後は、結社にとらわれず、岡井隆、塚本邦雄らが前衛歌人として新しい短歌を切り開いていきました。

その後は、俵万智、穂村弘の口語短歌がそれまでの古いイメージに古典短歌とは一線を画し、短歌に新しい次元を開きました。

紙の本やはがきでの投稿などの媒体も変化し、情報機器を通じた「携帯短歌」やネット上での投稿や交流を交えながら、今に至っています。

現代短歌の有名な作品まとめ  必ず読みたい50首

以上、短歌の歴史の流れをコンパクトにご紹介しました。




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