七月の短歌 文月の由来と「はつなつ」の詠まれる歌  

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七月の短歌 文月の由来と「はつなつ」の詠まれる歌

2022年7月11日

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七月の短歌にはどのようなものがあるでしょうか。有名な七月の短歌を一覧にまとめます。

ご自分で詠まれるときの参考にされてください。

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七月の短歌

七月は夏の初め。梅雨から、梅雨が終わって暑い夏が始まるまでのやや爽やかな気候の期間を含む月で、7月7日は七夕です。

 

「文月」の由来

七月の別名、和風月名は「文月」(ふみづき)。

文月の由来は文披月(ふみひらきづき・ふみひろげづき)”が略されたものという説が有力なものとなっています。

「七月」そのものの言葉の他にも、「初夏」「はつなつ」の言葉も短歌ではよく使われます。

それらの言葉を含む、七月の短歌をご紹介します。

 

七夕の短歌

七月でいちばん有名な短歌といえば、七夕伝説を詠んだ短歌です。

一年に一夜と思へど七夕の逢ひ見む秋のかぎりなきかな

作者:紀貫之

意味は

一年に一度だけの夜だけれども、七夕の逢瀬の秋は限りがなく、永遠に続くのだなあ

という意味。

紀貫之は872年生まれですが、その言葉通り、七夕は2022年の今も続いています。

七夕伝説というのは、万葉の時代から詠まれているので、その年月の長さへの感慨です。

七夕の歌はほかにも

 

文月の短歌

文月の詠まれた七夕の歌

七夕の逢ふ夜の空のかげみえて書きならべたる文ひろげ月

作者は藤原有家。

結句の「文ひろげ月」というのも、7月の呼び名です。

七夕の空の月影が広げた書物の上に映っているという情景でしょう。

※この時代の七夕の和歌は

 

「七月」の短歌

七月の短歌として最も有名なのがサラダ記念日です。

この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日

俵万智『サラダ記念日』の代表的な短歌作品。

「私の作ったサラダの味を「この味がいいね」とあなたがほめてくれたので、今日7月6日を「サラダ記念日」と名付けよう」

爽やかな「サラダ」が青春の一コマを彩ります。

解説は
この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日 俵万智

 

橡の樹も今くれかかる曇日の七月八日ひぐらしは鳴く

読み:とちのきも いまくれかかる くもりびの しちがつようか ひぐらしはなく

作者と出典

斎藤茂吉 歌集『あらたま』

「橡の木も暮れかかっている夕ぐれ、曇りの日である今日七月八日、今年初めての日暮らしが鳴いている」との意味。

作者斎藤茂吉ひは、ひぐらしが鳴き始めた日を毎年日記などに記録する習慣があったようです。

解説記事:
橡の樹も今くれかかる曇日の七月八日ひぐらしは鳴く『あらたま』斎藤茂吉

 

「はつなつ」の短歌

「七月」の代わりに「はつなつ」または「初夏」と書いて「はつなつ」と読む言葉も短歌には多く使われます。

 

さみどりの葉をはがしゆくはつなつのキャベツのしんのしんまでひとり

俵万智の歌集『かぜのてのひら』より。

「はつなつのキャベツ」というのは、新キャベツのことでしょうか。

「しん」は「芯」ですが、「心」や「深」にも通じる言葉となっています。

 

初夏の海光るなり大麦のかぜのなかなる強きくちづけ

作者:前田夕暮 『疲れ』

初夏の海を背景とする接吻の風景。「大麦の風の中なる」のつなぎ方が素敵です。

 

いと深く君思ふとき降り止みて更に零るる初夏のあめ

作者:与謝野晶子 『舞ごろも』

初夏の雨とは梅雨のことでしょうか。曇り日にこそ、相手への思いは深まります。

与謝野晶子には「初夏」に詠まれた歌がタイへのおいです。

 

初夏の庭は樹ぶかく暮れにけり水のおとこそきかまく欲しき

作者: 中村憲吉 『林泉集』

熱くなりつつある季節。水のある庭ではないのですが、上のように詠めば、爽やかな『水のおと」が文字上では加わっています。

他にも中村憲吉の有名な歌は

篠懸樹(ぷらたぬす)かげ行く女(こ)らが眼蓋(まなぶた)に血しほいろさし夏さりにけり

今日の日めくり短歌は、テーマ別、7月の短歌をご紹介しました。

他にも

花火の短歌 花火大会の夜空 昼の花火 線香花火を詠む

向日葵の短歌 夏を代表する光の花




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