千載和歌集の代表作一覧と現代語訳  

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千載和歌集の代表作一覧と現代語訳

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千載和歌集は八代集の一つ、後白河法皇の命により藤原俊成が撰集した7番目にあたる勅撰和歌集です。

千載和歌集から有名な和歌とや教科書に掲載された作品を現代語訳付き、作者別に一覧にまとめます。

千載和歌集とは

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千載和歌集は、文治4年(1188)4月22日に成立した、八代集の7番目の勅撰歌集です。

八代集は平安時代中期から鎌倉時代初期にかけて撰集された8つの勅撰和歌集の総称をいいます。

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千載和歌集の読み方

千載和歌集の読み方は「せんざい」和歌集です。

千載和歌集の「千載」の意味は「千年。長い年月」。

略して「千載集」とも呼ばれます。

成立

文治4年(1188)成立と言われています。

歌の数

歌数1280余首

撰者

藤原俊成

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代表歌人

源俊頼
藤原俊成
藤原基俊
俊恵(しゅんえ)
和泉式部
西行

八代集の順番

名称 読み方 天皇 選者 成立年
古今和歌集 こきんわかしゅう 醍醐天皇 紀貫之他 905年
後撰和歌集 ごせんわかしゅう 村上天皇 清原元輔 951年以降
拾遺和歌集 しゅういわかしゅう 花山天皇 花山天皇他 1006年
後拾遺和歌集 ごしゅういわかしゅう 白河天皇 藤原道俊 1086年
金葉和歌集 きんようわかしゅう 白河院 源俊頼 1124年
詞花和歌集 しいかわかしゅう 崇徳院 藤原顕輔 1151年
千載和歌集 せんざいわかしゅう 後白河院 藤原俊成 1188年
新古今和歌集 しんこきんわかしゅう 後鳥羽院 藤原定家他 1205

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千載和歌集の代表作品と現代語訳

千載和歌集の作品で主に教科書に取り上げられたり、有名でよく知られている作品は以下の作品です。

詳しい解説はそれぞれのページでご覧ください。

さざなみや志賀の都は荒れにしを昔ながらの山桜かな

読み: さざなみや しがのみやこは あれにしを むかしながらの やまざくらかな

作者と出典

平忠度 「千載集」66

現代語訳

志賀の都は荒れてしまったが、山の桜だけは昔ながらに美しく咲いているのだなあ

嘆けとて月やはものを思はする かこち顔なるわが涙かな

読み: なげけとて つきやはものを おもわする かこちがおなる わがなみだかな

出典

西行法師 百人一首86番 『千載集』926

現代語訳と意味

「嘆け」と言って、月が私を物思いにかりたてているのだろうか。そうではない、恋の悩みを月のせいとする私の涙なのだよ

難波江の葦のかりねのひとよゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき

読み:なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こいわたるべき

作者と出典

作者:皇嘉門院別当 (こうかもんいんのべっとう)

出典:小倉百人一首88  『千載集』恋三・807

現代語訳:

難波の入江の葦の刈り根の一節のように短い仮り寝をしたばかりに、みをつくして生涯、私はあなたに恋焦がれていくこととなるのでしょうか

おほけなくうき世の民におほふかなわが立つ杣にすみぞめの袖

読み:おおけなく うきよのたみに おおうかな わがたつそまに すみずめのそで

作者と出典

前大僧正慈円

百人一首 95 千載集  雑中 1137

現代語訳:

身のほど知らずであるが、つらい世の中の人々を覆おうと思う。比叡山に住みはじめてから着ている墨染の衣の袖で

ほととぎす鳴きつる方をながむればただ有明の月ぞ残れる

読み:ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる

作者と出典

百人一首 89 他に千載集(巻3・夏・161)

作者:後徳大寺左大臣 (ごとくだいじのさだいじん)  別名 藤原実定

現代語訳と意味

ほととぎすの鳴いている方を眺めてみたが、ほととぎすはおらず、夜明けの月が残っているばかりだった

長からむ心も知らず黒髪の乱れてけさは物をこそ思へ

読み:ながからん こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもえ

作者と出典

待賢門院堀河(たいけんもんいんのほりかわ)

百人一首 80  他「千載集」「久安百首」

現代語訳と意味

あなたの心が末永く変わらないかどうか、別れた今朝は黒髪が乱れているように、心が乱れて物思いに沈んでいます

 

以下は、撰者の藤原俊成の千載集の作品です。

夕されば野辺の秋風身にしみて鶉鳴くなり深草の里

読み: ゆうされば のべのあきかぜ みにしみて うずら なくなり ふかくさのさと

作者と出典

藤原俊成(ふじわらのとしなり)

千載和歌集 秋上259

現代語訳と意味

夕方になると野原を吹く秋風が身に染みて、鶉が鳴いている。この深草の里には

五月雨はたく藻の煙うちしめりしほたれまさる須磨の浦人

現代語での読み:さつきうは たくものけむり うちしめり しほたれまさる すまのうらびと

作者

藤原俊成 ふじわらのとしなり

出典

千載和歌集 183 久安百首827 定家八代抄230

和歌の意味

五月雨は、海藻を焼く煙も湿らせて降り、嘆き悲しみ涙でぬれた袖をいっそうぬらす須磨の海辺で暮らす浦人であるよ

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる

現代語での読み: よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまのおくにも しかぞなくなる

作者と出典

皇太后宮大夫俊成 藤原俊成(ふじわらのとしなり)  

百人一首83番 『千載集』雑・1148

現代語訳と意味

ああこの世、世俗を離れるべく思いつめて入り込んだ山の奥にも、鹿が悲しげに鳴いているようだ。

九条良経(藤原良経)の作品2首をあげておきます

 

ながむればかすめる空のうき雲とひとつになりぬかへる雁がね

現代語での読み:ながむれば かすめるそらの うきぐもと ひとつになりぬ かえるかりがね

作者と出典

藤原良経 千載集 春上37

現代語訳と意味

空を眺めると霞んだ空の浮き雲とひとつになって飛び去って行った。北国に帰ってゆく雁は

 

かすみゆくやどの梢ぞあはれなるまだ見ぬ山の花のかよひぢ

現代語での読み:かすみゆく やどのこずえぞ あわれなる まだみぬやまの はなのかよいじ

作者と出典

藤原良経 千載集

現代語訳と意味

かすんでいくときの 家の桜の梢も風情があるものだ。まだ見たことのない山の通り道とともに

以上、千載和歌集の代表作品をご紹介しました。

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