桜の有名な和歌一覧まとめ 古今集・新古今集の代表的な作品より  

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桜の有名な和歌一覧まとめ 古今集・新古今集の代表的な作品より

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桜を詠んだ和歌、古今和歌集・新古今集の時代の和歌から、有名で代表的な作品を現代語訳付きでご紹介します。

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桜を詠んだ和歌

桜は万葉集の時代から、人々の心を潤す春の代表的な花として、和歌にも多く詠まれてきました。

桜を詠んだ和歌を、古今集・新古今集の時代の有名なものを一覧にまとめます。

万葉集の桜の短歌、現代短歌は、下の記事にまとめました。

み吉野の高嶺の桜散りにけりあらしも白き春のあけぼの

読み:みよしのの たかねのさくら ちりにけり あらしもしろき はるのあけぼの

出典

後鳥羽院 新古今集133

現代語訳と意味

吉野の高嶺の桜が散ったのだな。吹き降ろす山風も真白に見える春の曙よ

解説

『最勝四天王院障子和歌』に掲げられた桜の花を詠んだ絵画的な一首。

後鳥羽院の秀歌にあげられます。

関連記事:
後鳥羽院の和歌代表作 新古今和歌集と百人一首から

 

願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの望月のころ

読み:ねがわくは はなのしたにて はるしなん そのきさらぎの もちづきのころ

現代語訳と意味

願うなら、桜の咲く春、その木の下に死にたいものだ。如月の満月の頃に

解説

自らのなくなる日を釈迦の命日に重ねた西行の有名な一首です。

この歌の解説を読む

 

またや見む交野のみ野の桜狩り花の雪散る春のあけぼの

読み: またやみん かたののみのの さくらがり はるのゆきちる はるのあけぼの

作者と出典

藤原俊成(ふじわらのとしなり)

新古今集 春下114

現代語訳と意味

また見ることがあろうか。交野の御狩り場の桜狩りの、雪のように花が散る、春のあけぼののこの美しいひとときを

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見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ

読み:みわたせば はなももみじも なかりけり うらのとまやの あきのゆうぐれ

作者と出典

藤原定家 新古今和歌集 秋上363

現代語訳と意味

あたりを見渡すと、桜の花はもとより、紅葉の彩りすら目に触れないのだよ。漁師の仮小屋の散らばる浦の秋の夕暮れ

解説のワンポイント

藤原定家の代表作品。花は桜を指しますが、そこにはない桜の花と紅葉を提示して効果を狙う歌です。

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深山木(みやまぎ)のその梢とも見えざりし桜は花にあらはれにけり

作者:源頼政

現代語訳と意味:
深山の木々の中にあって、桜とも見分けることの出来なかった木の梢に咲いた花によってはじめて桜であることがわかるのだよ

桜は咲いてこそ桜であるということなのでしょう。

 

さざなみや志賀の都は荒れにしを昔ながらの山桜かな

読み: さざなみや しがのみやこは あれにしを むかしながらの やまざくらかな

作者と出典

平忠度 「千載集」

現代語訳

志賀の都は荒れてしまったが、山の桜だけは昔ながらに美しく咲いているのだなあ

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行きくれて木の下かげを宿とせば花や今夜(こよひ)の主ならまし

作者:平忠度

現代語訳と意味:
旅の途を歩いていて、日が暮れてしまったので、木の下に一晩眠ろうとしたら、桜の花が今夜の宿主であろうよ

野宿の際に見上げて見える桜の梢を見て詠う風流が偲ばれます。

 

世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

作者:在原業平(ありわらなりひら)

現代語訳と意味:
もしこの世の中に全く桜というものがなかったなら、春における人の心はのどかであるだろうに

花見を待ちそれに合わせて慌ただしくも浮かれる世の人を斜めに見て詠んだ歌。

現代の世においても、開花宣言や見頃が連日報道されていますね。

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和歌の「花」は桜

和歌において「花」と記されているものの多くは、「花=桜」のことです。

「花」となっている和歌作品をあげていきます。

花は散りその色となくながむればむなしき空に春雨ぞふる

読み:はなはちり そのいろとなく ながむれば むなしきそらに はるさめぞふる

作者と出典

式子内親王(しょくしないしんのう) 新古今集 149

現代語訳と意味

花はすっかり散りはててしまって どこということもなくてしみじみと思いをこらしてみると、何もない大空に春雨が降っている

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花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

読み:はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがよみにふる ながめせしまに

作者と出典

小野小町 (おののこまち)

古今和歌集 113 百人一首 9

現代語訳

桜の花はむなしく色あせてしまった。空しくも過ごす私の容色が衰えてしまったように

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風通ふ寝覚めの袖の花の香に薫る枕の春の夜の夢

読み: かぜさそう ねざめのそでの はなのかに かおるまくらの はるのよのゆめ

作者と出典

藤原俊成女(ふじわらのとしなりのむすめ)

新古今和歌集 112

現代語訳と意味

風が庭から吹き通ってきて、ふと目覚めた私の袖が風の運んできた桜の花に香り、枕辺には見ていた春の夜の夢の名残りがゆらめいている

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久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

読み:ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらん

現代語訳と意味

日の光がのどかな春の日に、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散っていくのだろうか

作者と出典

紀友則 古今和歌集春下・84 百人一首33

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以上、桜を詠んだ和歌の有名な作品をご紹介しました。




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