百人一首

百人一首の秋の和歌

百人一首の秋の和歌をまとめます。

解説ページのある歌は、各ページで詳しく鑑賞できますので個別ページにてご覧ください。

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百人一首の秋の和歌

秋は詩心をさそう季節、百人一首にも秋の季節を詠んだ歌、秋に詠まれた歌が多く含まれています。

百人一首の秋の歌を一覧でまとめます。

 

解説のあるものは、解説ページで現代語訳と語句、文法、短歌の修辞法などをさらに詳しく解説してありますので、個別ページにてにご覧ください。

 

秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は 露にぬれつつ

読み:あきのたの かりほのいおの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ

作者と出典

天智天皇 (てんじてんのう) 百人一首の1番目の歌

現代語訳

秋の田の傍にある仮小小屋の屋根を葺いた苫の目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れてゆくばかりだ

原型は『万葉集』にあり、作者は「詠み人知らず」とされています。『後撰集』から天智天皇の作とされるようになったという説があるので、本当の作者は別にいると思われます。

この歌の解説ページ:
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ (天智天皇)

 

 

奥山に紅葉ふみわけ鳴(なく)鹿のこえ聞くときぞ秋はかなしき

作者:猿丸太夫 (古今集では「よみ人知らず」)

出典:百人一首5番『古今集』秋上・215

現代語訳:

山の奥に紅葉の落ち葉を踏み分けながら、鹿の鳴く声を聞く秋はことさらに悲しく思われる

猿丸太夫の有名な歌。

鹿の声は雌を求めて鳴くもので、それに孤独な気持ちを重ねているのです。

この歌の解説ページ:

奥山に もみぢ踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき

 

ちはやぶる神世も聞かず竜田川からくれなゐに水くくるとは

読み:ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは

作者と出典

在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)(825〜880)

・百人一首 17
・「古今集」294

在原業平については
在原業平の代表作和歌5首 作風と特徴

現代語訳と意味

不思議なことが多かった神代にも聞いたことがない。龍田川が水を美しい紅色にくくり初めにするなんて

在原業平の有名な歌。色彩の鮮やかな様子を「神代」と対照することで強調しています。

「くれない」「くくる」は韻を踏んで下句を彩るかのように印象的です。

 

※この歌の解説ページ:

ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

在原業平の代表作和歌5首 作風と特徴

 

吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風を嵐といふらむ

読み:ふくからに あきのくさきの しおるれば むべやまかぜを あらしというらん

作者と出典

作者:文屋康秀 (ぶんやのやすひで)

出典:小倉百人一首22  『古今和歌集』249

現代語訳:

吹くとたちまち秋の草木が枯れるので、山から吹き下ろす風を嵐というのですね。

「嵐」という字を分解すると「山」と「風」に分けられるので、「嵐」に草木を荒らす意味をこめたもので、知的な言葉遊びの歌です。

 

※この歌の解説ページ:

吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ

 

月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身一つの 秋にはあらねど

読み:つきみれば ちじにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど

作者と出典

作者:大江千里
出典:『古今集』193 百人一首23番

現代語訳:

月を見れば様々に思いが乱れて悲しいものだ。別に私一人のために秋がやってきたというわけでもないのに

大江千里の有名な月の歌。下の句にポイントがあります。

※この歌の解説ページ:

月見れば 千々に物こそ 悲しけれ 我が身ひとつの 秋にはあらねど

 

このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに

読み:このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみまにまに

作者と出典

作者:菅家(菅原道真)
出典:百人一首24番 古今集(巻9・羈旅420)

現代語訳:

このたびの旅は急なことでしたので、お供えする幣も用意できませんで、手向山の神よ、この紅葉を御心のままお収めくださいますように

行幸の共をした際に詠まれた菅原道真の掛詞を含む歌です。

※この歌の解説ページ:

このたびは ぬさもとりあへず 手向山 紅葉のにしき 神のまにまに 菅原道真

 

小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ

作者:貞信公

 

心あてに折らばや折らむ初霜のおきまどはせる白菊の花

読み:こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな

作者と出典

作者:凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)

出典:古今集 秋下・277 百人一首 29番

現代語訳と意味

もし折るのなら、当て推量で折ろうか。初霜が置いてその白さで霜か菊かと人を困惑させれている白菊の花よ

秋の花である菊を詠んだ歌です。

※この歌の解説ページ:

心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花

 

山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり

作者:春道列樹

 

八重むぐら茂れるやどのさびしきに人こそ見えね秋は来にけり

読み:やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり

作者と出典

作者:恵慶法師 (えぎょうほうし)

出典:小倉百人一首47 拾遺集

現代語訳:

葎のおい茂った荒涼としたこの家はさびしく、訪れる人もないが、いちはやく秋だけはもうやってきたのだなあ

※この歌の解説ページ:

八重むぐら しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり

 

あらし吹く み室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり

作者:能因法師 69

 

さびしさに 宿をたち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ

作者:良暹法師 70

 

夕されば 門田の稲葉 おとづれて 葦のまろやに 秋風ぞ吹く

作者:大納言経信 71

 

契りおきし させもが露を いのちにて あはれ今年の 秋もいぬめり

作者:藤原基俊 75

 

秋風にたなびく雲のたえ間よりもれいづる月の影のさやけさ

作者:左京大夫顕輔(さきょうのだいぶあきすけ)

出典:百人一首 79 『新古今集』秋・413

現代語訳:

秋風によって空に細くたなびいている雲の切れ間から、地に差す月の光の清らかさよ

※この歌の解説ページ:

秋風に たなびく雲の たえ間より もれ出づる月の かげのさやけさ

 

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる

現代語での読み: よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまのおくにも しかぞなくなる

作者と出典

皇太后宮大夫俊成 藤原俊成(ふじわらのとしなり)  

百人一首83番 『千載集』雑・1148

現代語訳と意味

ああこの世、世俗を離れるべく思いつめて入り込んだ山の奥にも、鹿が悲しげに鳴いているようだ。

鹿が鳴く季節は秋とされていますが、秋だからこそきっと物悲しい鳴き声に聞こえるのでしょう。

※この歌の解説ページ:

世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる (皇太后宮大夫俊成)

 

村雨の露もまだひぬまきの葉に霧立ちのぼる秋

現代語での読み: むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ.

作者と出典

寂蓮法師 百人一首87番 新古今集巻5

現代語訳と意味

にわか雨のあとの濡れている真木の葉に、白い霧がかかっている秋の夕暮れよ

※この歌の解説ページ:

村雨の 露もまだひぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ

他に三夕の歌として有名な和歌は

寂しさはその色としもなかりけり槙立つ山の秋の夕暮れ 寂蓮法師

 

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

読み:きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん

作者と出典

作者:後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん)

出典:百人一首91番   新古今集 518

現代語訳:

こおろぎが鳴く霜の降りた夜の寒々とした筵の上に衣の片袖を敷いて、一人寂しく寝るのだろうか

※この歌の解説ページ:

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む

 

み吉野の山の秋風さ夜更けて古里寒く衣打つなり

現代語での読み: みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり

作者と出典

参議雅経さんぎまさつね =飛鳥井雅経 あすかいまさつね

『新古今集』秋歌下・483 百人一首94

現代語訳と意味

吉野の山を秋風が吹き渡る。夜が更けて古い都の遠くから衣を打つ砧の寒い音が聞こえてくる

※この歌の解説ページ:

み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり

 

百人一首の中からはっきりと秋の歌とわかるのは上の和歌19首です。

「月」を詠んだ歌を含めるともう少し増えますので、やはり秋の歌は多いといえるでしょう。

全首はこちらから

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