詩の形式 種類と見分け方 口語自由詩・文語定型詩など  

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詩の形式 種類と見分け方 口語自由詩・文語定型詩など

2022年12月6日

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詩の形式と見分け方について、例を上げてわかりやすく解説をお伝えします。

この記事では主に教科書に用いられる詩の分類に用いられる、口語と文語の違い、定型や自由詩の定義などを説明します。

詩の種類・形式を解説

この記事では主に教科書に用いられる詩の形式と見分け方を解説します。

口語詩や、定型詩といったものの定義について用例を見ながら覚えていきましょう。

※教科書の詩の一覧はこちらから

詩,解説
教科書の詩 教材に掲載される有名な詩一覧

教科書や教材に掲載されている有名な詩の一覧を記します。 それぞれの詩に、現代語訳や詳しい解説、感想も加えています。

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詩の言葉の違い

1つ目は詩歌を記すときの言葉の違いです。

詩歌に使われる言葉は口語と文語の2種類があります。

違いは、使われた時代の違いです。

  • 口語・・・現代の言葉
  • 文語・・・古い時代の言葉

口語は、私達が普段使っている現代の言葉です。

対して文語は、古い時代に主に書き言葉において使われた言葉です。

口語の詩の例

わたしをねないで/あらせいとうの花のように/白いのように/束ねないでください わたしは稲穂
―【解説】わたしを束ねないで 新川和江の教科書の詩

文語の詩の例

ああ、弟よ、君を泣く、/君死にたまふことなかれ。/すゑに生れし君なれば/親のなさけはまさりしも、/親はやいばをにぎらせて/人を殺せと教へしや、
―「君死にたまふことなかれ」作者与謝野晶子の意味と現代語訳

 

詩の言葉の表記の違い

ひらがな部分の表記には

  • 口語・・・新かなづかい
  • 文語・・・旧かなづかい

の2種類があります。

文語の詩のほとんどは、旧仮名づかいで記されています。

口語の詩は、すべて新仮名づかいです。

旧かな使いの例

たとえば、上の「君死にたまふことなかれ」においては

「君死にたまふことなかれ」の新かなは「君死にたまうことなかれ」と書き換えられます。

他に「人を殺せと教へしや」の新かなは「教えしや」で、それぞれ

  • ふ(旧)⇒う(新)
  • へ(旧)⇒え(新)

となります。

ほかにも

「汚れつちまつた悲しみに」⇒「よごれっちまった」

など促音の「つ」を大文字で記すなどの違いがあります。

つまり、このような表記が見られる詩は 文語で記されていると見分けることができます。

口語自由詩の始まり

口語自由詩の始まりは明治40年(1907) 川路柳虹 かわじりゅうこう の「 塵溜 はきだめ 」が最初。その後大正時代の 白樺派・民衆詩派の詩人や、北原白秋、高村光太郎、 萩原朔太郎により、近代詩として成熟・完成。

およぐひと 萩原朔太郎の詩の解説 音楽的魅力の鑑賞

詩の形式

詩の形式は、自由詩と定形詩の2種類があります。

自由詩は、現代の多く見られる詩が自由詩です。

一方、定型詩は、短歌や俳句、川柳など字数が決まっているもの、他に詩であっても、言葉が七五調など、決まった形に整えられて書かれているものが定型詩です。

  • 自由詩・・・字数などに決まりがなく自由
  • 定型詩・・・字数や句の数,配列などが一定

 

先の「口語詩」と「文語詩」、「自由詩」と「定型詩」とを組み合わせて、「口語自由詩」や「文語定型詩」などと種類が分けられています。

それぞれの定義をまとめると

  • 口語自由詩・・・現代の言葉で自由な形式で書かれている
  • 文語自由詩・・・古い時代の言葉で自由な形式で書かれている
  • 口語定型詩・・・現代の言葉で一定の形式で書かれている
  • 文語定型詩・・・古い時代の言葉で一定の形式で書かれている

 

自由詩と定型詩の違い

口語自由詩の「口語」というのは、現代の言葉である口語で書かれた詩のことです。

自由詩というのは、字数の決まっている「定型詩」に対して、字数の決まっていない詩のことをいいます。

自由詩の例

おうい雲よ/ゆうゆうと/馬鹿にのんきさうぢやないか
―おうい雲よ ゆうゆうと「雲」山村暮鳥の詩

定型詩の例

汚れつちまつた悲しみに/ 今日も小雪の降りかかる/ 汚れつちまつた悲しみに/ 今日も風さへ吹きすぎる
【解説】『汚れつちまつた悲しみに…』中原中也の代表作

 

他の詩の種類

定型詩の種類は短歌・俳句・川柳や漢詩などがあります。

  • 定型詩の種類・・・短歌・俳句・川柳・中国の律詩・絶句 欧米のソネットなど

和歌には長歌と短歌がありますが、長歌の方は字数が決まっておらず、定型詩には分類されていません

詩の種類としては他にも

  • 「散文詩」=散文形式で書かれた詩。
  • 「叙情詩」=作者の感情や心情、思いなどが込められた詩。
  • 「叙事詩」=歴史上の人物や出来事などを書いた詩。

などがあります。

参考

「短詩」という言葉はありますが、それは主に「短詩型」のことで、俳句や短歌の定形を指します。

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詩の見分け方のポイント

これまでの定義を元に詩の見分け方のポイントをまとめます。

文語か口語かの見分け方

文語か口語の違いとしては 現代の言葉で記されているかどうかがまず大きなポイントです。

  • 現代の言葉で記されているか
  • 現代に使われていない言葉が使われているか
  • 現代の読みではない旧かなが使われているか

定型か自由詩かの見分け方

提携かどうかを見分けるポイントは、実際に読んで文字数を数えてみましょう。

  • 文字の数が七五調ではないか
  • 短歌や俳句の形ではないか
  • 文字の数が各行や連で決まっていないか

教科書の詩一覧

これまでに解説した詩作品の一覧をまとめます。

口語自由詩の詩作品一覧

『レモン哀歌』高村光太郎

雪 三好達治「太郎を眠らせ太郎の屋根に雪ふりつむ」の表現技法

およぐひと 萩原朔太郎

ぎたる弾くひと 萩原朔太郎とマンドリン

「一つのメルヘン」中原中也

「素朴な琴」八木重吉

岩が  吉野弘

『あしたこそ』工藤直子『野原はうたう』

おれはかまきり 工藤直子『野原はうたう』

わたしを束ねないで 新川和江

未確認飛行物体 入沢康夫

口語定型詩の作品

『汚れつちまつた悲しみに…』

文語自由詩の詩作品

こころ 萩原朔太郎

文語定型詩の詩作品

『初恋』島崎藤村

山のあなたの空遠く「幸」住むと人のいう カール・ブッセ

 

文語の詩、口語の詩はなれると簡単に見分けられるようになりますよ。

あとは実例を参考にしてみてくださいね。




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