短歌で有名な作品20首 これだけは知っておきたい名作  

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短歌で有名な作品20首 これだけは知っておきたい名作

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短歌の有名な作品にはどのようなものがあるのでしょうか。

和歌と言われる古い時代、万葉集や古今和歌集の古典の短歌、そのあとの近代の短歌それぞれの時代の代表作をお知らせします。

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短歌の有名な作品

目次

有名な短歌、歌の詠まれた時代をおおむね2つに大別してお知らせします。

  1. 古典和歌
  2. 近代短歌

 

古典和歌は、万葉集と新古集や百人一首、近代短歌は、明治生まれの歌人たち、石川啄木や斎藤茂吉、与謝野晶子の作品です。

万葉集と百人一首の有名な歌は、下の記事にもあります。

・・・

※短歌の基礎知識
短歌とは ルールと基礎知識を知って役立てよう

 

■古典和歌の有名な作品

目次

万葉集と古今集、新古今、百人一首などから、誰もが知っていたり、聞いたことのある短歌や和歌です。

それぞれの歌の詳しい解説は個別ページでご覧ください。

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

読み:あかねさす むらさきのいき しめのいき のもりはみずや きみがそでふる

作者

額田王 ぬかたのおおきみ

現代語訳

紫草の生えているこの野原をあちらに行きこちらに行きして、野の番人がみとがめるではありませんか。あなたがそんなに私に袖をお振りになるのを

解説

万葉集の初期の歌人の代表的な歌人の一人額田王の代表的な大海人皇子との問答歌の和歌です。

大海人皇子の返歌と共に鑑賞されます。

内容は、不倫の恋愛の歌ですが、個人的なものではなく、宴会の席で舞と共に披露されたと伝わっています。

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東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ

読み:ひんがしの のにかぎろいの たつみえて かえりみすれば つきかたぶきぬ

作者

柿本人麻呂 万葉集1-48

現代語訳

東の野に陽炎の立つのが見えて振り返ってみると月は西に傾いてしまった

解説

柿本人麻呂は、万葉集の時代の大歌人の一人でぜひ知っておきたい歌人の筆頭です。

この歌の神話的なスケールの大きさは、人麻呂ならではのものでしょう。

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春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山

読み:はるすぎて なつきたるらし しろたえの ころもほしたり あめのかぐやま

作者

持統天皇 万葉集

現代語訳

春が過ぎて夏が到来したようだ 天の香具山に白い夏衣が干してあるのを見るとそれが実感できる

解説

持統天皇の代表歌で古今集にも収録され長く愛唱されてきた和歌です。

春の到来を山を含めた風物から表しています。

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天つ風雲の通ひ路吹きとぢよをとめの姿しばしとどめむ

読み:あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ おとめのすがた しばしとどめん

作者と出典

僧正遍昭(そうじょうへんじょう)

現代語訳と意味

空を吹く風よ、雲の中の通り道を吹き閉じてくれ。この美しい天女たちの姿をしばらくとどめておこうと思うから

解説

僧正遍昭は名の通り僧侶なのですが、あまりにも幻想的で美しい歌ではありませんか。

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願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの望月のころ

読み:ねがわくは はなのしたにて はるしなん そのきさらぎの もちづきのころ

作者

西行

現代語訳と意味

願うなら、桜の咲く春、その木の下に死にたいものだ。如月の満月の頃に

解説

西行法師の有名な代表作品の和歌。

幻想的な風景の中で迎える終焉は贅沢にも見えますが、僧侶である西行の仏への帰依がこの歌の内容です。

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久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

読み:ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらん

作者

紀友則

古今和歌集及び小倉百人一首

現代語訳と意味

日の光がのどかな春の日に、どうして落ち着いた心もなく桜の花は散っていくのだろうか

解説

紀友則の当時から有名な歌で、様々な歌人が、この歌を本歌取りをして続く歌を詠みました。

美しい風景を基にした簡潔な表現の中に、心情を重ねた秀歌といえます。

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春の夜の夢の浮橋とだえして峰に別るる横雲の空

読み: はるのよの ゆめのうきはし とだえして みねにわかるる よこぐものそら

作者と出典

藤原定家

新古今和歌集 巻第一 春歌上 38

現代語訳と意味

春の夜の、浮橋のようなはかなく短い夢から目が覚めたとき、山の峰に吹き付けられた横雲が、左右に別れて明け方の空に流れてゆくことだ

解説

藤原定家は小倉百人一首の撰者でもあり、この時代の代表的な歌人の一人です。

「夢の浮橋」という言葉がなんとも美しく、一首を彩っています。

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ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは

読み:ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは

作者と出典

在原業平朝臣(ありわらのなりひらあそん)

百人一首 17 「古今集」

現代語訳と意味

不思議なことが多かった神代にも聞いたことがない。龍田川が、水を美しい紅色にくくり染めにするなんて

解説

美男子で恋多き男性としても知られる在原業平は歌の妙手でもありました。

誇張が目立つとも評されますが、この歌のくっきりした印象は、一度読んだら忘れられないものです。

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秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる

読み: あききぬと めにはさやかに みえねども かぜのおとにぞ おどろかれぬる

作者と出典

藤原敏行朝臣(ふじわらのとしゆきあそん)

古今和歌集 169

現代語訳と意味

秋が来たという風にはめでははっきりとわからぬが、風の音に、ふと秋だなと感じさせられることだ

解説

藤原敏行朝臣のこちらも有名な和歌。

「さやかに」の音が、後にでてくる「風」を象徴するかのような効果があります。

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逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり

読み:あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり

作者と出典

権中納言敦忠

百人一首 43  「拾遺集」

現代語訳と意味

あなたに実際に会って契りを結んだ後のこの恋しい気持ちに比べれば、会うより前の物思いなの何でもないものでしたよ

解説

恋する前の自分を内省する歌として、当時から共感を詠んだ和歌。

単なる恋の物思いだけではなく、過去を振り返っての内省的なところがポイントです。

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■近代短歌の有名な歌

近代短歌、おおむね明治生まれの歌人の作品、与謝野晶子や斎藤茂吉、正岡子規などから、誰もが知っていたり、聞いたことのありそうな和歌10首をご紹介します。

 

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

(読み)しにちかき ははにそいねの しんしんと とおだのかわず てんにきこゆる

作者

斎藤茂吉 歌集『赤光』

歌の意味と現代語訳

死の間近に迫った母に添い寝をしていると、静まりかえった夜更け、遠くの田にしんしんと鳴く蛙の声が空に響いて聞こえてくる

解説

近代短歌を代表する歌人斎藤茂吉の教科書にも紹介される『死にたまふ母」の短歌。

全49種の中のクライマックスとなる作品です。

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死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる「死にたまふ母」斎藤茂吉『赤光』

斎藤茂吉の作品と生涯 特徴や作風「写生と実相観入」

 

ただひとつ惜しみて置きし白桃(しらもも)のゆたけきを吾は食ひをはりけり

読み:ただひとつ おしみておきし しらももの ゆたけきをわれは くいおわりけり

作者

斎藤茂吉 歌集「白桃」

現代語訳

たった一つ大切に取っておいた白桃の豊さを私は食べ終わってしまったよ

解説

同じく斎藤茂吉の中期の作品です。

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やわ肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

読み: やわはだの あつきちしおに ふれもみで さびしからずや みちをとくきみ

作者と出典

与謝野晶子『みだれ髪』

現代語訳

この柔らかい肌の熱い血のたぎりに触れてもみないで、寂しくはないのですか。 道学を語っているあなた

解説

夫の与謝野鉄幹と共に「明星」のブームを起こした与謝野晶子。

女流歌人の天才として、与謝野晶子を超える人はおりません。

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くれなゐの二尺のびたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る

読み:くれないの にしゃくのびたる ばらのめの はりやわらかに はるさめのふる

作者:

正岡子規

現代語訳と意味:

紅色の60センチほど伸びた薔薇の枝、そのまだやわらかい棘にも春雨のふりかかる

解説

近代短歌を切り開いたといえる、正岡子規の代表作の一つ。

病床で絵も描いていた子規の観察である「写生」の技法が生きていることが分かります。

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白鳥はかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

読み:しらとりは かなしからずや そらのあお うみのあおにも そまずただよう

作者

若山牧水 歌集「海の声」「別離」 重複あり

現代語訳

白鳥は哀しくはないのだろうか。空の青い色にも海の青い色にも染まらずに漂っている

解説

近代短歌の抒情的な歌人の一人若山牧水の代表作。

「あくがれ」と「旅」がキーワードの牧水は、漂泊の思いを取りに託していたのでしょうか。

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幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく

読み:いくやまかわ こえさりゆかば さびしさの はてなむくにぞ きょうもたびゆく

作者:

若山牧水 歌集「海の声」「別離」 複数の歌集に重複して収められている

現代語訳:

いくつの山と川を越えてゆけば、この寂しさの消える国にたどりつくのでしょうか。その地を求めて今日も旅に行くのです。

解説

同じく若山牧水の作。初句は「いくやまかわ」と読みます。

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春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る夕

読み:
はるのとり ななきそなきそ あかあかと とのものくさに ひのいるゆうべ

作者

北原白秋

現代語訳と意味

春の鳥よ鳴いてくれるな。赤々と外の草に日の日が照っている。それ以上鳴かれると、私の心まで哀しくなってしまうから。

解説

歌人でもあり、詩人としてもすぐれた作品を残して近代の詩歌をけん引した北原白秋の代表作。

うららかな春の夕べの情景が美しく定型にまとめられています。

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たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず

読み:
たわむれに ははをせおいて そのあまり かろきになきて さんぽあゆまず

作者

石川啄木 歌集「一握の砂」

現代語訳と意味

ふざけて母を背負ってみたが、その余りの軽さに涙がこぼれて三歩も歩むことができない

解説

石川啄木の母を詠った有名な作品。

一面ダメ人間といわれる啄木も、母とのきずなは強かったようです。

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不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心

読み こずかたの おしろのくさに ねころびて そらにすわれし じゅうごのこころ

作者

石川啄木 『一握の砂』

現代語訳と意味:

盛岡城の草の上に寝転んで、空に吸い込まれそうだった十五才の私の心よ

解説

少年時代の回顧があまりにもみずみずしい表現で詠まれています。

石川啄木の短歌は近代のみならず、現代でも多くの若者の心を揺さぶります。

この歌の解説を読む

『一握の砂』石川啄木のこれだけは読んでおきたい短歌代表作8首

石川啄木の生涯と文学 26歳の生を2冊の歌集に凝縮

 

鉦鳴らし信濃の国を行き行かばありしながらの母見るらむか

読み:かねならし しなののくにを ゆきゆかば ありしながらの ははみるらんか

作者と出典

窪田空穂『まひる野』

現代語訳と意味

巡礼となって信濃の故郷を巡り巡ったならば、在りし日のままの母に会うことができるだろうか

解説

窪田空穂の「母恋」の短歌。亡くなった母に出会いはしないか、という作者の切望が胸を打ちます。

この歌の解説を読む

以上、古典の和歌と短歌がもっとも華やかだった近代短歌から、これだけは読んでおきたい、有名な短歌を20首ご紹介しました。

皆さまのお気に入りが見つかりますように。

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