万葉集

万葉集の和歌原文と現代語訳の対照一覧

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万葉集は収録した和歌の数が約4千5百首あります。教科書にも掲載される万葉集の主要な和歌と、現代語訳の対照をまとめます。

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万葉集の和歌(原文)と現代語訳

万葉集は収録した和歌の数が5千首もあります。

万葉集の主要な和歌にどのような歌があるのか、また現代語訳を手軽に参照できるように、これまで取り上げた有名な歌はを50音順にまとめました。

各歌の詳しい解説についてはリンク先の個別ページにてご覧になれます。

目次

あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る

現代語訳:紫草の生えているこの野原をあちらに行きこちらに行きして、野の番人がみとがめるではありませんか。あなたがそんなに私に袖をお振りになるのを 額田王

新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事

訳:新しい年の初めの初春の今日降る雪のように、積もれよ、良いことが 作者: 大伴家持

秋の日の穂田を雁がね暗けくに夜のほどろにも鳴き渡るかも

現代語訳:秋の日の穂田を刈るのではないが、その雁が、暗いのに夜明け近くに鳴き渡っているよ 作者: 聖武天皇

秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ

現代語訳:秋の田の傍にある仮小屋の屋根を葺いた苫の目が粗いので、私の衣の袖は露に濡れてゆくばかりだ 作者: 天智天皇

あしひきの山のしづくに妹待つと我立ち濡れぬ山のしづくに

現代語訳:山の雫にあなたが来るのを待っていて私は濡れてしまった その山のしずくに 作者:大津皇子

あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む

現代語訳:山鳥の長く垂れた尾のように長い長い夜を、寂しく一人寝をするのであろうか 作者:柿本人麻呂

天離る鄙の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ

現代語訳 鄙からの長い道を通って家恋しくやってくると、明石海峡の向こうに大和の島々が見える 作者:柿本人麻呂 万葉集264

新しき年の始めに思ふどちい群れて居れば嬉くもあるか

訳:新年の初めに、気の合う者同士が集まっているのは、なんとうれしいことだろうか 作者:道祖王(ふなとのおおきみ) 4284

紫陽花の八重咲くごとく八つ代にいませ我が背子見つつ偲はむ

訳:紫陽花が八重に咲くように、あなたさまも八代も末永くお元気であられるようにこの花を見ながらお祈り申し上げます 作者:橘諸兄

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも

現代語訳:岩をほとばりし流れる垂水のほとりのさわらびが、芽を出す春になったことだ 作者: 志貴皇子

石麻呂に吾れもの申す夏痩せによしといふものぞ 鰻とり食せ

訳:石麻呂に私は申します。夏痩せに良いという、鰻を採ってお食べなさい 作者:大伴家持

家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る

訳:家にいれば器に盛る飯を、旅の途中なので椎の葉に盛るのだ 作者:有間皇子

いづくにか船泊すらむ安礼の崎こぎ回み行きし棚無し小舟

現代語訳今、安礼の崎のところを漕ぎめぐっていった、あの舟棚の無い小さな船はいったいどこに泊まるのだろうか 作者:高市黒人 万葉集58

古の人に我れあれや楽浪の古き都を見れば悲しき

訳 私は古の人間だからだろうか。近江の古い都を見るとこんなにも悲しいというのは 作者:高市黒人

磐代の浜松が枝を引き結びま幸くあらばまたかへり見む

訳:磐代の浜松の枝を引き結んで、幸い無事でいられたら、また立ち返って見よう 作者: 有間皇子

うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば

訳:うららかに照っている春日の中、ひばりが空に上がり、心は悲しい。一人もの思いをしていれば 作者: 大伴家持

うつそみの人なる我や明日よりは二上山を弟と我が見む

現代語訳:一人この世に生き続ける私は、明日からは弟の眠るあの二上山を弟として見続けよう 作者:大伯皇女

大君は神にしませば天雲の雷の上に廬せるかも

現代語訳:わが天皇は神でいらっしゃるので、天雲の雷の上に行宮(あんぐう)をおつくりになりたもうた 作者:柿本人麻呂

憶良らは今は罷らむ子泣くらむそれその母も我を待つらむそ

現代語訳 私、憶良はもう退出しましょう。家では、今ごろ子供が泣いているでしょう。その子を負っている母もきっと私を待っているでしょうから 作者:山上憶良

韓衣裾に取りつき泣く子らを置きてそ来ぬや母なしにして

訳:衣服の裾に取りすがって泣く子供を置いてきてしまったことだ 母親もいないのに 作者不詳 4401

風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ

現代語訳:あなたを待って恋しく思っていたら、あなたと見まごうかのように私の家の簾を動かして秋風が吹くのです 鏡王女

かきつはた衣に摺り付けますらをの着襲ひ狩りする月は来にけり

訳:かきつばたの花で、衣を摺り染めにして、朝廷にお仕えする立派な男たちが着飾って狩りをする月が来たことだ 作者: 大伴家持

君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く

現代語訳:あなたを待って恋しく思っていたら、あなたと見まごうかのように私の家の簾を動かして秋風が吹くのです 額田王

恋ひ恋ひて逢へる時だに愛(うつく)しき言尽くしてよ長くと思はば

現代語訳:恋い焦がれてようやくお会いしたときだけでも、せめて愛しい言葉のありったけを言い尽くして聞かせてください。二人の間が長く続くようにとお思いになるのなら。 作者:大伴坂上郎女

 

巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を

訳:巨勢山のつらつら椿を、じっくりとつらつと見ながら偲ぼうよ、巨勢山の春を 作者:坂門人足

防人に行くは誰が背と問ふ人を見るがともしさ物思ひもせず

訳:防人にいくのは誰の夫かと聞いている人がうらやましい。なんの憂いもないでしょうから 作者不詳

信濃道は今の墾道刈株に足踏ましなむ沓はけわが背

訳:信濃路は今切り開いたばかりの道です。切り株で馬に足にけがをさせてはいけません。靴を履かせなさい、あなた

験なきものを思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし

訳:何の甲斐もない物思いをするくらいなら、一杯の濁り酒を飲むべきであるらしい 作者:大伴旅人

磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ

現代語訳:しきしまのやまとの国は言葉の霊力が物事をよい方向へ動かしてくれる国です、どうか私が言葉で申し上げることによって、どうぞその通り、無事でいて下さい 作者:柿本人麻呂

銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも

現代語訳 銀も金も玉も、いかに貴いものであろうとも、子どもという宝物に比べたら何のことがあろう 作者:山上憶良

多摩川にさらす手作りさらさらに何そこの児のここだ悲しき

訳:多摩川にさらす手作り布の”さら”ではないが、さらさらにどうして子のこのことを、こんなにも甚だしく愛しく感じるのだろうか 作者:作者不詳

父母が頭かき撫で幸くあれていひし言葉ぜ忘れかねつる

訳:父母が私の頭を撫でてと無事であれと言った言葉が忘れられない 作者:作者不詳

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

現代語訳:熟田津で船出をしようと月を待っていると 月も出て、潮も良い具合になった。さあ、今こそ漕ぎ出そう 額田王

ぬばたまの夜渡る月をとどめむに西の山辺に関もあらぬかも

ぬばたまの夜空を渡る月をとどめるため、西の山辺に関所でもないものか 作者不詳 1077

ぬばたまの夜渡る月をおもしろみわがいる袖に露ぞ置きにける

訳:夜空を渡る月が明るく楽しいので、寝ずにいる私の袖に露が置いてしまった 作者不詳 1081 

春の野にすみれ摘みにと来しわれそ野をなつかしみ一夜寝にけり

 春の野に菫を積みに来た私は、野に心惹かれ、ひと晩そこに泊ったのだなあ 山部赤人 万葉集

春の野に霞たなびきうら悲しこの夕かげに鶯鳴くも

訳:春の野に霞がたなびいてもの悲しい。この夕方の光の中で鶯が鳴くよ 作者:大伴家持

春の苑紅にほふ桃の花下照る道に出立つをとめ

訳:春の園が紅に輝いている桃の花の下まで輝く道にたたずむ乙女よ 作者:大伴家持

春過ぎて夏きたるらし白妙の衣干したり天の香具山

現代語訳:春が過ぎて夏が到来したようだ 天の香具山に白い夏衣が干してあるのを見るとそれが実感できる 作者:持統天皇

東の野に炎の立つ見えてかへり見すれば月傾きぬ

現代語訳:東の野に陽炎の立つのが見えて振り返ってみると月は西に傾いてしまった 作者:柿本人麻呂

二人行けど行き過ぎ難き秋山をいかにか君がひとり越ゆらむ

現代語訳:二人で行っても行き過ぎにくい秋山を、どのようにしてあの人は一人で越えているのだろうか 作者:大伯皇女

ふりさけて三日月見れば一目見し人の眉引き思ほゆるかも

訳:振り返って三日月を見ると、一目見たあの方の眉が思われる 作者: 大伴家持

降る雪の白髪までに大君に仕へまつれば貴くもあるか

訳:降り積もる雪のように 白髪になるまで大君にお仕え申してきたので何とも尊いことである 作者:橘諸兄 922

松浦川七瀬の淀は淀むとも我は淀まず君をし待たむ

訳:松浦川の七瀬の淀は淀もうとも、私はためらわずに、君を待ち続けます 作者:大伴旅人

三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや

訳:三輪山を そんなにも隠してしまうのか せめて雲だけでも 思いやりがあってほしいのに 隠して良いものか 額田王

道にあひて咲まししからに降る雪の消なば消ぬがに恋ふといふ吾妹

現代語訳:あなたを待って恋しく思っていたら、あなたと見まごうかのように私の家の簾を動かして秋風が吹くのです

見まく欲り思ひしなへにかづらかけかぐはし君を相見つるかも 

訳:みまくほり おもいしなえに かずらかけ かぐわしきみを あいみつるかも 作者:大伴家持

み吉野の象山の際の木末にはここだも騒ぐ鳥の声かも

訳:み吉野のの象山の山あいの木々の梢には、こんなにも多く鳴き騒ぐ鳥の声であるよ 作者:山部赤人 924

紫草のにほへる妹を憎くあらば人妻ゆゑに我れ恋ひめやも

訳:あの紫草のように匂いたつような美しいあなたを憎いと思うならば、人妻であるのに私がこんな風に袖を振るほど、恋い焦がれたりするものでしょうか 大海人皇子

もののふの八十宇治川の網代木にいさよふ波の行く方知らずも

現代語訳:宇治川の網代木にたゆたっている 波の行方がわからないことだ 作者:柿本人麻呂 万葉集264

八雲さす出雲の子らが黒髪は吉野の川の沖になづさふ

現代語訳:八雲の湧く出雲の娘子の黒髪が、吉野の川の沖に揺らめいている 作者:柿本人麻呂

よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よよき人よく見つ

現代語訳:昔の良き人が、良いところだと、よく見て良いといった、この吉野をよく見よ。今の良き人、我が息子たちよ、よく見るがよい。 作者:天武天皇

若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴鳴き渡る

訳:若の浦に潮が満ちてくると、干潟がなくなるので 足の生えた意岸辺に向かって、鶴が鳴き渡る 作者:山部赤人 919

我も見つ人にも告げむ勝鹿の真間の手児名が奥つ城ところ

訳:私も見た 人にも教えよう 葛飾の真間の手児名の墓のある場所を 作者山部赤人 432

我が盛りまたをちめやもほとほとに奈良の都を見ずかなりなむ

訳:私の元気だった時代が、またもどってくることがあろうか。 ひょっとして奈良の都を見ずにおわるのではないだろうか 作者:大伴旅人

我妹子が見し鞆之浦の室の木は常世にあれど見し人ぞなき

訳:わが妻が見た鞆の浦のむろの木は今も変わらずにあるが、見た妻はもはや世にはいない 作者:大伴旅人

我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れ来るかも

訳:わが園に梅の花が散る。空から雪が流れてくるのだろうか 作者:大伴旅人

わが背子を大和へ遣るとさ夜更けて暁露に我が立ち濡れし 大伯皇女

現代語訳:あの人を大和へ返し送ろうと夜が更けて、暁の露に私は経ち濡れてしまったことだ 作者:大伯皇女

われもはや安見児得たり皆人の得かてにすとふ安見児得たり

現代語訳:私は安見児(やすみこ)を得た 皆の者が得難いとしている安見児を得た 作者:藤原鎌足

わが背子と二人見ませば幾許かこの降る雪の嬉しからまし

現代語訳:わが夫の君ともし二人で見るのでしたら、どんなにかいま降っているこの雪が喜ばしく思われることでしょうに 作者:光明皇后

我がやどの花橘にほととぎす今こそ鳴かめ友に逢へる時

訳:我が家の橘の木にとまっているほととぎすよ、鳴いておくれ。友に会っている今この時に 作者:大伴書持

我が妻も画にかきとらむ暇もが 旅行く我は見つつ偲はむ

訳:私の妻を絵に描き写す暇があればよいのに これから旅立つ私はそれを見ながら妻を偲ぼう 作者 物部古麻呂 4327







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