近代短歌の有名な代表作品一覧 歌人別に紹介  

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近代短歌の有名な代表作品一覧 歌人別に紹介

2022年6月9日

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近代短歌の有名な歌人とその作品を一覧にまとめました。

近代短歌の各歌人別に代表的な作品をお知らせします。

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近代短歌の有名な作品

近代短歌の有名な作品を歌人別に一覧にまとめてお知らせします。

各歌の現代語訳と詳しい解説については個別ページでご覧ください。

※近代短歌についての他の記事は

 

 

正岡子規

正岡子規 まさおかしき 愛媛県 1867-1902

瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり

くれなゐの二尺のびたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る

※正岡子規の代表作品まとめ

正岡子規の短歌代表作10首 写生を提唱

 

伊藤左千夫

伊藤左千夫 (いとうさちお)1864-1913 千葉県

牛飼が歌よむ時に世の中の新しき歌大いにおこる

今朝のあさの露ひやびやと秋草やすべて幽けき寂滅の光

※伊藤左千夫の代表作品まとめ

伊藤左千夫短歌代表作品30首訳付 牛飼の歌 九十九里詠 ほろびの光

 

佐佐木信綱

佐佐木信綱 ささきのぶつな 1872-1963

幼きは幼きどちのものがたり葡萄のかげに月かたぶきぬ 

ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲

※笹k信綱の代表作品まとめ

佐佐木信綱の有名な短歌代表作

 

窪田空穂

窪田空穂 くぼたうつぼ 長野県 1877-1967

麦のくき口にふくみて吹きをればふと鳴りいでし心うれしさ 

鉦鳴らし信濃の国を行き行かばありしながらの母見るらむか

 

与謝野晶子

与謝野晶子 よさのあきこ 大阪府 1878-1942

鎌倉や御仏なれど釈迦牟尼は美男におはす夏木立かな

金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に

その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな

なにとなく君に待たるるここちして出でし花野の夕月夜かな

清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき

やわ肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君

髪五尺ときなば水にやはらかき少女ごころを秘めて放たじ

 

※与謝野晶子の代表作品まとめ

与謝野晶子の代表作品一覧 情熱の歌人5万首の短歌と詩

 

与謝野鉄幹

与謝野鉄幹 よさのてっかん 1873-1935

われ男の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子

関連記事:
与謝野晶子と与謝野鉄幹 「二人三脚」でたどり着いた常世の春

 

島木赤彦

島木赤彦 しまきあかひこ 長野県 1876-1926

夕焼け空焦げきはまれる下にして氷らんとする湖のしずけさ

みづうみの氷は解けてなほ寒し三日月の影波にうつろふ

信濃路はいつ春にならん夕づく日入りてしまらく黄なる空の色

 

※島木赤彦の代表作品まとめ

島木赤彦の代表作品50首 切火・氷魚・太虚集・柿蔭集から

 

長塚節

長塚節 ながつかたかし 茨城県 1879-1915

白埴の瓶こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり 長塚節

馬追虫の髭のそよろに来る秋はまなこを閉ぢて想ひ見るべし

垂乳根の母がつりたる青蚊帳をすがしといねつたるみたれども

 

※長塚節の代表作品まとめ

長塚節の短歌代表作 歌集『鍼の如く』

 

石川啄木

石川啄木 1886-1912

やはらかに柳あをめる/北上の岸辺目に見ゆ/泣けとごとくに

たはむれに母を背負ひて/そのあまり軽きに泣きて/三歩あゆまず

ふるさとの訛なつかし/停車場の人ごみの中に/そを聴きにゆく

不来方のお城の草に寝ころびて/空に吸はれし/十五の心/

東海の小島の磯の白砂に/われ泣きぬれて/蟹とたはむる

友がみなわれよりえらく見ゆる日よ/花を買ひ来て/妻としたしむ

 

※石川啄木の代表作品まとめ

『一握の砂』石川啄木のこれだけは読んでおきたい短歌代表作8首

 

 

山川登美子

山川登美子 やまかわとみこ 1879-1909

それとなく紅き花みな友にゆづりそむきて泣きて忘れ草つむ

我が息を芙蓉の風に例へますな十三弦を一息に切る

 

※山川登美子の代表作品まとめ

山川登美子の代表作短歌

 

会津八一

会津八一 あいづやいち 1881-1956

あめつちにわれひとりゐてたつごときこのさびしさをきみはほほえむ

くわんおん の しろき ひたひ に やうらく の かげ うごかして かぜ わたる みゆ

関連記事:
会津八一の短歌に正岡子規万葉の影響 歌集『南京新唱』の特徴

 

斎藤茂吉

斎藤茂吉 山形県 1882-1953

ゆふされば大根の葉にふる時雨いたく寂しく降りにけるかも

沈黙のわれに見よとぞ百房の黒き葡萄に雨ふりそそぐ

あかあかと一本の道とほりたりたまきはる我が命なりけり

のど赤き玄鳥ふたつ屋梁にゐて足乳根の母は死にたまふなり

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる

ただひとつ惜しみて置きし白桃のゆたけきを吾は食ひをはりけり

最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも

 

前田夕暮

前田夕暮 まえだゆうぐれ 1883-1951

向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ

木に花咲き君わが妻とならむ日の四月なかなか遠くもあるかな

自然がずんずん 体のなかを通過する 山、山、山

 

北原白秋

北原白秋 きたはらはくしゅう 福岡県 1885-1942

君かへす朝の鋪石さくさくと雪よ林檎の香のごとくふれ

春の鳥な鳴きそ鳴きそあかあかと外の面の草に日の入る

草わかば色鉛筆の赤き粉のちるがいとしく寝て削るなり

昼ながら幽かに光る蛍一つ孟宗の藪を出でて消えたり

 

※北原白秋の代表作品まとめ

北原白秋の短歌代表作品 人妻との恋愛事件で官能から法悦へ

 

土岐善麿

土岐善麿 ときぜんまろ 1885-1980

春の夜のともしび消してねむるときひとりの名をば母に告げたり

あなたは勝つものとおもつてゐましたかと老いたる妻のさびしげにいふ

遺棄死体数百(すうひやく)といひ数千(すうせん)といふいのちをふたつもちしものなし

 

若山牧水

若山牧水〔1885-1928〕

白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

幾山河越えさり行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく

白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ

 

※若山牧水の代表作品まとめ

若山牧水の代表作短歌10首 愛唱される作品を紹介!現代語訳付

 

木下利玄

木下利玄 1886-1925

牡丹花は咲き定まりて静かなり花の占めたる位置のたしかさ

街をゆき子供の傍を通る時蜜柑の香せり冬がまた来る

 

土屋文明

土屋文明 つちやぶんめい 群馬県 1890-1990

にんじんは明日蒔けばよし帰らむよ東一華(あづまいちげ)の花も閉ざしぬ

この三朝(みあさ)あさなあさなをよそほひし睡蓮の花今朝はひらかず

ただひとり吾より貧しき友なりき金のことにて交(まじはり)絶てり

時代ことなる父と子なれば枯山に腰下ろし向ふ一つ山脈(やまなみ)に

終りなき時に入らむに束の間の後前(あとさき)ありや有りてかなしむ

垣山(かきやま)にたなびく冬の霞あり我にことばあり何か嘆かむ

※土屋文明の代表作品まとめ

土屋文明の短歌代表作品と名言「生活即短歌」戦後歌壇とアララギを牽引

 

古泉千樫

古泉千樫 1886-1927

みんなみの嶺岡山の焼くる火のこよひも赤く見えにけるかも

乳牛の体のとがりのおのづからいつくしくしてあはれなりけり

茱萸(ぐみ)の実の白くひかれる渚みち牛ひとついて海に向き立つ

 

※古泉千樫の代表作品まとめ

古泉千樫の短歌代表作品50首  アララギ派の歌人の抒情と平淡 歌の特徴

 

中村憲吉

中村憲吉 1889-1934

新芽立つ谷間あさけれ大仏にゆふさりきたる眉間のひかり

篠懸樹かげを行く女が眼蓋(まなぶた)に血しほいろさし夏さりにけり

春すぎて若葉静かになりにけり此の静けさの過ぎざらめやも

身はすでに私(わたくし)ならずとおもひつつ涙おちたりまさに愛(かな)しく

 

※中村憲吉の代表作品まとめ

中村憲吉の短歌代表作品50首 馬鈴薯の花

 

吉井勇

吉井勇 1886-1960

かにかくに祇園はこひし寝るときも枕の下を水のながるる

君にちかふ阿蘇のけむりの絶ゆるとも万葉集の歌ほろぶとも

夏は来ぬ相模の海の南風(なんぷう)にわが瞳燃ゆわがこころ燃ゆ

 

釈迢空

釈迢空 しゃくちょうくう 1887-1953

葛の花 踏みしだかれて、色あたらし。この山道を行きし人あり

邑山の松の木むらに、日はあたり ひそけきかもよ。旅びとの墓

桜の花ちりぢりにしも/わかれ行く 遠きひとり/と 君も なりなむ

 

原阿佐緒

原阿佐緒 1888-1969

生きながら針に貫かれし蝶のごと悶えつつなほ飛ばむとぞする

われとわが胸の傷より血とともにたえず流るる悲しみの歌

 

関連記事:
原阿佐緒の短歌代表作品

 

岡本かの子

岡本かの子 1889-1939

桜ばないのち一ぱいに咲くからに生命(いのち)をかけてわが眺めたり

ともすればかろきねたみのきざし来る日かなかなしくものなど縫はむ

鶏頭はあまりに赤しよわが狂ふきざしにもあるかあまりに赤しよ

 

※岡本かの子の代表作品まとめ

岡本かの子の短歌代表作と桜の短歌

 

吉野秀雄

吉野秀雄〔1902-1967〕

真命の極みに堪へてししむらを敢てゆだねしわぎも子あはれ

我が胸のそこひに汝の恃むべき清き泉のなしとせなくに

杉群(すぎむら)に晝(ひる)のかなかな啼きいでて短く止みぬあやまちしごと

彼の世より呼び立つるにやこの世にて引き留むるにや熊蝉の声※北原白秋の代表作品まとめ

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